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農林水産委員会理事懇談会〜大雨による農林水産被害状況について

2022.09.01 18:24

大雨による農林水産被害を受けて、参議院農林水産委員会の理事懇談会が開かれました。

私は1人会派で活動していますが、理事会や理事懇談会等への参加を許されているので秋田の被害を訴えるべく参加いたしました。

8月3日から断続的に続いた大雨による農林水産関係の被害は、昨日の時点で、33道府県で652億8千万円、秋田県分は74億超となっています。

昨日の紙面にも出ていたネギや比内地鶏はもちろんですが、稲や野菜、大豆、果樹、農業用施設や林道、溜池や水産関係まで、幅広い被害が県内でも確認されており、実際には、冠水した農作物被害は収穫期になり判明することもあるため、まだまだ被害の全容は掴めていないとのこと。

農家の皆様には今更というところがあるかもしれませんが、多くの方に知っていただく意味と自身の覚書の意味もあり、以下共有をさせていただきます。

農水省からは、個別にお伺いした話も含めて、今回の大雨被害の特徴は、昨年の大雨被害と比べると今のところ被害は小さめであること、被害は33道府県にまたがり全国に広がっていること、エリアは小さくともその中の被害は大きいという局所点在であること、農地自体の被害は個人の所有であっても基本は9割を国が補填し、残りを自治体が農家と相談しながら行うこと、農作物に関しては基本は農業共済、収入保険などがあるためそちらで支援が行われること、そのために加入促進を図っていること、秋田の水稲については、全国比で見ると共済への加入率が10%程度低いこと、共済は、①ニーズがあること、②保険母数が適当に存在し、③保険設計が可能なこと、④被害査定ができるか、などの観点から対象外となっているものが数多くあり、母数の少ないものや収益の高いものなどは対象外となっていること、そのため収益の高いメロンなどについては基本的には収入保険に入ってほしいと促していることなどが説明されました(水産物ではウニなども共済がないとのこと)。

今般、知事の発言もあり多くの困惑と怒りが広がっている比内地鶏16,700羽の被害については、いずれも今のところ支援の対象となっていません。

豚や牛に比べて飼育期間が短いことから、鶏そのものが共済でも対象外となっているためです。私からは、通常のブロイラーの飼育期間(50日)と比べて比内地鶏は県の独自の認証程度でその2倍から3倍に当たる100日(雄)〜150日(雌)以上の飼育期間が設けられていることもあり、被害は甚大で農家の失望も大きいことを伝え支援を求めるとともに、三大地鶏と言われるその他の地鶏も含めて、災害時、過去に国や自治体で支援をした例はないのかを調べて後日回答を受けることとなりました。

また、農作物被害は、その他の災害被害とは異なり、被害が遅れてきたり、収穫期にならないと判らない場合があるとの話の通り、長雨の被害で、能代では白神ネギが次々と枯れてきて壊滅的な被害となっていることも昨日の魁新報にて報じられています。

秋田は再度の雨予報もあり、ネギの土寄せをしなければならないがとても間に合わないといった悲鳴も聞こえてきます。こうした深刻な被害に真摯に耳を傾けていただき、担い手不足の中、高齢化も進む農業の担い手がこれを機にもう農業を辞めようということにならないよう、営農継続への希望が持てるような手厚い支援をお願いしました。

与野党の理事からは、放置されている倒木や間伐材が流されて水害を深刻化させているのではとの指摘や、耕作放棄地の多さも深刻であり、こうしたことも農業被害の拡大につながっているのではないか、これを機に日本の農政、農水省ばかりではなくて国として食糧生産をどうするのかを考え直すべきだといった話も聞かれました。

8月初旬の委員会でも検討事項として挙げられていた通り、被害の全容がほぼ把握できた段階での視察、委員会の開催、委員会として提言をまとめてはどうかという強い要望についても話し合い、理事懇談会を終えました。

今後も被害の大きかった地域に、なるべく被害に遭われた方のご迷惑にならないような形で視察に来ていただけるように、まずは起こってしまった被害への手厚い支援がなされるように求めて参ります。また、農政への思い入れが強い大臣も「(今対象ではないものも)共済ができるならやってやったらどうだ」と発言されているとのお話も聞きました。この辺りも、農家の皆様のお考えを聞きながら、災害はあってほしくないことではありますが、今後への備えとして、より良い方法を考えていきたいと思います。


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