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大雨被害の深刻さ

2024.07.31 12:47

この度の大雨によりお亡くなりになられた方々に心よりお悔やみを申し上げますとともに、被災をされた皆様にお見舞いを申し上げます。

週末、直前まで孤立状態にあった義兄の実家が営む東由利のガソリンスタンドがある地域一帯が通行可能になったとの報を受け、直接話を伺うとともに、安全には気をつけながら自主的に県内を周り、被害状況を見てきました。このガソリンスタンドは、一時緊急車両への給油に限定していたため、この日は一般の方々への給油も再開されていたものの、通りがかった住民の方には給油再開が伝わっていないことがわかり、そのお話をすると安堵されたということもありました。

大雨による被害が報じられたのちも、昨日まで雨の予報が続いていたことで予断を許さない状況が継続していましたが、ここから県内の天気は落ち着くようです。ただ、地盤が緩んでいるところもあり、復旧作業や片付けに当たられる際には十分にご注意を頂きたいと思います。また、続いた雨から一転、ここからは猛暑の予報であり、復旧に当たる皆様も熱中症の危険と隣り合わせの作業になることと思い、安全には重ねての留意が必要になるものと危惧しています。

昨年大雨で被害を受けた秋田市の住宅は約6千棟で、今も当時のまま片付けが終わっていないお宅や、工事の順番が回って来ずにこの夏前にようやく修理を終えたというお話も聞いてきました。行政マンだったという方は、「行政で仕事をしながらも、自宅が被災をするまで水害がこんなに酷いものだとはわかっていなかった。本当に大変なんです」と仰っていました。

平成19年の北秋田阿仁前田地区の大雨災害の際に、夫が現場を拝見し、皆様のお話も聞かせて頂いて水害の酷さを痛感し、その後委員会で懸命に訴え働きかけたことで、それまで地震などしか想定されていなかった被害の判断基準が水害の特徴をとらえたものに運用変更されることとなりました。これによって、その後広島や熊本など全国で相次いだ大雨被害の際に適用され、被災をされた方への支援が以前より手厚くなりましたが、それでもまだ十分だと言えるものではありません。特に、近年頻発する大雨被害を考えれば、そもそもの原則である「個人が所有する私財について国が公金を使って補償することはできない」というところを考え直す時期に来ているのではないかとも感じています。

水害は誰にいつ降りかかるかわからず、そして、一度起これば短期中期、時にはこれまでの生活を永遠に変えてしまうほど甚大な影響を与えます。健康であっても、若くても、お金があっても、支えてくれる親戚縁者があっても大変なことではありますが、以前のような生活を取り戻すまでの苦労は、困難を抱えている方々ほど厳しい状況があることは、誰しも想像が出来ることと思います。

昨年の秋田市の大雨被害の際にテレビで報じられていた被災をされたご夫妻は、視力障がいをお持ちでした。目が見えなくとも記憶と手探りに頼り日常生活が支障なく営めるようにと工夫を重ねて家具や物の置き場を決めていた住宅の中に水が押し寄せ、物が流され、床なども被害を受け、従前の生活を取り戻すまでの道のりにどれだけの苦労があるかということを思い言葉を失いました。おりしも今日の新聞では、障がいのある方の78%が貧困状態であるという民間団体のデータも報じられています。お金のある方であれば叶う、使い慣れた一つひとつの生活必需品を買い戻すことさえも、容易ではないだろうと感じます。「この国に生まれたるの不幸」であると思わせるような状態がありはしないかということを、この災害の機会を捉え、今一度考え直す必要があります。

上小阿仁村の被害も深刻で、断水復旧の目処も立たぬ状況がご高齢の方の一人暮らしやご夫妻が多い村での生活を直撃しています。既に多くの関係者の方々にご尽力を頂いておりますが、この災害が村での暮らしや営農を諦めるきっかけであったということにならないよう、手厚い支援が求められています。

既に10市町村に災害救助法が適用されていますが、より一層の支援・被害状況に即した対応と早期の復旧復興のため、災害対策特別委員会や農水委員会の視察を求めるとともに、国政の場からできる限りの後押しができるよう努力を続けて参ります。

写真上は横手市大森の被害現場、下は昨年の土砂災害現場の委員会視察。

ボランティアをしたいとのお声も多くいただいております。ボランティアセンターの情報はこちらです。

https://www.akitakenshakyo.or.jp/.../page-8756/page-8755/ 


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