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終戦の日に

2024.08.15 16:00

昨年の秋、広島原爆ドーム、平和記念資料館に行ってきました。国会議員であるのに一度も見たことがないというのはどうかと思っていたこともあり、ちょうど戦争のことに興味を持つようになっていた子どもを連れて行ってくることにしました。

雨に濡れたドームを見て、資料館の中の被害の実相の展示や現職のアメリカ大統領として初めて広島を訪れたオバマ元大統領が捧げた折り鶴を見て、皆様のご家族を含めた先人の多くの犠牲の上に今の平和があるということが奇跡のように尊く感じられました。

そして先週の広島の原爆の日。NHKの記念式典の中継を見ていた息子が、黙祷をしようと私たちに促しました。これは、資料館をじっくりと見てきた影響だろうとはっきりと感じました。

広島に行った時には、資料館よりも遊ぶ場所に行きたいとゴネたり、写真などが怖いと目を背けることもありましたが、展示されている子どもたちの体験談には食い入るように見入っていました。現地を訪れ、こうしたものを見聞きすることは、大人ももちろんですが、子どもの心には大きく響くのだと。

ローマ教皇は、「平和とは、健康を害しやすい人のようなもの。常に手厚いケアを必要とする」と発言しています。その言葉通り、平和への手厚い世話を怠ってきた結果が、ロシアの愚行や、イスラエルとパレスチナの戦闘を生んでいると感じています。

世界の人口は初めて80億を突破しました。多くの方達が私たちより貧しい生活を強いられています。貧困があらゆる戦争の種となってきたことを忘れず、平和への手厚いケアをしていかなくてはいけません。

その一つとして出来るのが、根気よく、子どもたちに機会を捉えて戦争の惨禍を伝えていくことだと、それが大きな意味を持つということを改めて思っています。

亡くなった祖父は、シベリアに抑留されていました。祖母は集団就職で行くことになった川崎で戦時中を過ごしたそうです。身内では唯一戦争経験を持つその祖母も認知症が進み、もう当時の話を聞くことは出来なくなってしまいました。でも、子どもの頃から聞いてきた祖母や祖父の体験、戦争下の日々の暮らしの様子は私の胸に残っています。

今日は終戦の日。一人の大人、母親として、語り継いでいきたい。そして、こうした想いを胸に、政治の場で平和を作る不断の努力を続けていきたいと思います。

8月15日

てらたしずか


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