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どうしても伝えたかったこと

2024.12.05 14:51

昨年に引き続き、学習院女子大学にて講義を一コマ持たせて頂きました。同大で教鞭をとる大学時代の友人から、「自分が大学生だった時に知っておきたかったこと、今の大学生の女の子たちに伝えたいことなど、なんでも話してほしい」と言われたもの。

大学を卒業すれば、就職や結婚、子どもを持つかもしれないという「人生の繁忙期」に向かうこれからの世代の女性たち。親御さんたちは恐らく私と同世代ぐらいであろうと思います。子育て中の身として、保護者の方々のお気持ちも想像しながら、また自分の学生時代を振り返り、その時に自分の身や友達に起こったことなども思い起こしながら、この春に都内の女子大に進学した姪っ子に伝えておきたいと思うことも考えながら、主に以下のようなことをお話しさせて頂きました。

・性と生殖に関する健康と権利、特に生理と避妊手段、緊急避妊薬に焦点を当てて

・マイドクターの選び方、メリットとユースクリニックについて

・性犯罪に関わる近年の刑法改正と性行為における同意の概念について

・G7の一角をなす先進国でありながら、性別固定的役割意識が色濃く残る日本社会の様子とジェンダーギャップ指数

・ガラスの天井、就職や賃金格差に残る男女格差

・DVや離婚、そのときに障害となるもの〜DVチェッカーを配布しながら

・男女格差を埋めるための社会の取り組み

・私自身の不登校経験と弟のこと、そこから生まれた社会変革への想い

・政治の世界の男女格差の現状とそれが招く政策の歪み、予算の使われ方の偏りについて

私としては、上記のようなことをお話ししながら、どうしてもメッセージとして伝えたいことがありました。これから人生を歩む中で、壁に当たった時などに思い出すようなことを一つでも持ち帰ってもらいたいと思いながら心を込めてお話しました。

・女性比率を高めようとする動きのなかでチャンスを掴み挑戦をしてほしいこと

・自分に制限をかけるのは自分だけであること

・将来の夢ややりたいことが見つからなくとも、好きなこと、得意なことを続ける中で道ができていくこともあること

・性犯罪に遭っても、悪いのは被害者のあなたではなく、どんな時も加害者が100%悪いということ

・無関心でいることはできても無関係ではいられないのが政治であること。家事も育児も介護も全てを誰かに丸投げをして仕事ばかりに専念をしてきた人たちがこれまでは制度を決めてきたからこそあるのがいまの日本。だからこそ、政治に関心を寄せてほしいこと。

・困った時には必ずあなたを助けてくれる相談窓口や法律があること。もしどうしてもなければ伝えて!制度を作る努力を必ず引き受けること。

今の学生さんたちはあまり授業中に手を挙げて質問したりはしないよ、と事前に聞かされており、また、伝えたいことを盛り込みすぎて、105分喋り倒してしまいましたが、後日、学生の皆さんからたくさんの感想や温かい言葉を頂き、大変嬉しく震える想いでした。この場で皆さんの言葉を詳らかにすることはできませんが、頂いた想いと言葉の数々を胸に抱き、社会を変えるため、とりわけ社会の中でかき消されがちな若い世代の女性たちの声に耳を澄ましながら、なお一層の努力をしていきたいと改めて誓った貴重な機会でした。


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