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米農家の苦労に向き合って

2025.07.04 19:32



今日の遊説の最中、仙北市西木で農家の皆さんと懇談する機会を頂きました。
農業政策の在り方は、農家の皆さんの実情から導き出されなくてはいけないと考えているからです。

頂いた任期の後半の3年間は農林水産委員会に所属し、その間に大臣は5度代わりました。その度に秋田の農家の置かれた現状や雪国の厳しさを懸命に伝えてきました。

私自身の実家は農家ではありませんが、横手の親戚や友人知人に農家は多く、全県各地の農家の皆さんから、米価が低すぎて農業を続けられない、子どもに継がせられない、先祖代々の農地を守りたいけれど赤字続きでもう限界だ、との苦しいお声を多数頂いて参りました。聞かせていただいた農家の方々のお声を代弁し、思うところを委員会で訴えてきたところに起きたのが「令和の米騒動」でした。

騒動の最中に就任した小泉大臣が繰り返し話す通り、主食である米の小売価格が一年で2倍になるのは非常事態であり、食品や生活必需品などあらゆる物が値上がりするなか、主食であるお米が高すぎて買えない人がいる状況にはなんとしても対策をとらなくてはなりません。

ただ、私が委員会の場で繰り返し大臣に申し上げたのは、そもそもその比較対象である5キロ2000円台だった一年前の価格が本当に適正だったのか、ということです。米農家の皆さんは、今回の価格の高騰が生じる前までずっと米価格の低迷に苦しみ、肥料や資材費等の経費を価格に転嫁できず、このまま赤字が続けば生産を続けること自体が難しいと訴えてきました。

一消費者としては有難い米価格の低位安定は、米農家の皆さんが、近年かかりましになる経費を一手に背負いこむことによって構造的に成り立っていたものであったことを真剣に考える必要があります。農業委員会大会では、県内の農家さんから「農家が食糧生産のために額に汗して働いてきたことを正当に評価してほしい」と言われました。

今回の備蓄米の2000円での売り渡しは、消費者からの「米が高い、買えない」という声に基づいて行われたものです。このことは、農家の皆さんの声を聞いてきたものとしては、「米の値段が上がったらピシャッと水を浴びせて値段を下げようとするのに、米価が低迷し、赤字でこのままでは続けられないと農家の方々が散々声をあげてきた時には、実効的な対策はしてくれなかった、何もしてくれなかったじゃないか」というのが素直な農家の皆さんの思いだということを大臣に訴えました。

そもそも、今回の米不足は誰が招いたのか。
今までの農政に失策はなかったのか。

集落を守るために法人化をしたが、2年間給料が出せなかった。
外の人に任せたら、こうした草刈りはやってくれないだろう、採算が合うわけないから。でも、それでは自分たちの地域は守られていかないんだ。
大規模化、スマート化だけでは守られない農地があり、集落がある。
こうした農家の声に、今の農政はこたえてきたのでしょうか。

今後、米政策は大きく見直しを迫られるのは事実ですが、今回の騒動の原因をしっかりと分析し、これまでの政策をしっかり反省した上でなければ、今まで苦労を強いられてきた米農家の皆さんの気持ち、努力は報われないと思います。

唯一自給可能な国民の主食である米を生産する農家を徹底して支えることなしに、食料安全保障は確保されません。赤字でも農地を守ってきた、国民に食糧を届けてきたと言葉を搾り出す農家の方々の思いを胸に留めて、農家の皆さんが安心して営農ができ、結果として食糧の安定的な供給が叶うよう引き続き懸命に努力して参ります。

最後に、今日、小泉農水大臣が秋田に来られました。
秋田に来られたのであれば、街中で演説をして帰るのではなくて、僅かな時間であっても、暑さの中毎日草刈りなどに励む農家の皆さんに直接お会いして、農家の実情に耳を傾けて頂きたかったと思います。農家の皆さんの努力がしっかりと評価される農政を築くために、これからも各地の農家の皆さんのお声に耳を傾け、懸命に頑張って参ります。


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