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語られてこなかった課題

2025.07.10 17:16

私自身のことで恐縮ですが、2年ほど前から、時々、前触れもなく、そして座っていても突然のめまいと頭痛に襲われることがありました。健康診断では特段異常がないので、もしかしたらと思っていましたが、更年期専門外来を受診したところ、血液検査できっぱりと更年期だと認定されました。あれこれの不調は、体のどこかが悪いわけではなくて、更年期のためだろうということがわかりホッとしたのと同時に、これからもっと色々な症状が出てくるのかなとちょっと憂鬱な気持ちにもなりました。

その不安は的中し、不調は次々に現れました。夜に何度も目覚めて目が冴えてしまって眠れないという不眠の症状に苦しめられ、寝不足の状態が続きました。その症状が落ち着いたと思うと、今度は、夜中に寒気とは違う、全身が氷のように冷たくなり鳥肌が立つ症状が。そして今度は逆に、寝ているとき初めてのホットフラッシュ(突然身体が熱くなり汗が出てくる)を経験し、人生で初めての感覚に、「なんだかすごいなあ。この感覚をある意味楽しむ余裕を忘れずにいたいな」と思ったりしたものでした。

更年期の典型的症状と言われるだけあって、ホットフラッシュはそれ以来昼間も度々起こるようになりました。

国会会期中の委員会で、他の方の質疑を聞いている時にも起こりました。そして地元活動のさなか、県スポーツ協会100周年記念式典に参加した際、ステージ上に並んで座っている時にブワーっと汗が吹き出してきて、それでも、さすがに壇上で一人ジャケットを脱いだりするわけにもいかず、人生の先輩たちはこういう時はどうやって乗り越えたのかな、、と考えながらカバンの中のハンカチをゴソゴソ探しました。

そして今、選挙期間といえども更年期とは無縁ではなく、日中の活動で疲れ切っているはずなのに、寝付けない、夜中に目が覚めて眠れないという状態が続いております(公示日直前にかかった婦人科で漢方などを処方してもらって、以前よりは改善しています)。

更年期という言葉は、女性は若さに価値があるとされてきた日本の社会において、あまり触れられることはありませんでした。しかし、語ることが避けられてきたがゆえに、更年期による不調で仕事を辞めたり、重要な仕事を引き受けられなかったり、昇進を諦めるなどといった経験をしている女性が非常に多い事実も知られることはありませんでした。更年期による社会の損失は約6300億円との結果も公表され、NHKなどでも特集が組まれるようになったのは、本当に最近のことです。

生理・妊娠・出産・更年期など、多くの女性が人生の中で経験する性と生殖に関する健康と権利にまつわる事柄は、多くの女性が困難を感じている社会課題であるにも関わらず、女性議員が少数であるために放置をされてきたと感じています。

一人の当事者として、更年期の際に休めるようにするための「特別休暇制度」の創設を厚労省に後押ししていますが、いまだ生理休暇や更年期休暇の取得を躊躇う方も多いことと思います。
「体調が悪ければ誰でも仕事を休むのは当たり前」はコロナの際に社会的な合意の契機となったはずであり、性別や障がいなどの有無を問わず、誰もが働きやすい社会を作っていかなくてはならないと考えています。

85%が男性の国会で、しかも、健康で仕事だけに専念できる男性が主な構成者である永田町では理解が得られづらい課題ではありますが、このような課題に取り組むことも、私に託された役割であったと努力して参りました。
この6年間「あなたになら話せると思った」と皆さんが打ち明けてくださった数多ある日々の暮らしの中で感じる不安や悩み、こうなってほしいという願いをしっかりと受け止めて、一つひとつ解決を図っていく政治が実現されるよう、県内唯一の女性国会議員として今後も力を尽くしたい、そう強く思って全県をこれからも駆け回って参ります。


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