2026.03.06 21:45

3月8日は国際女性デー。
その日に向け、様々なイベントが各地で開催されています。
先日、駐日EU代表部とUN Women日本事務所が共催する「国際女性デー記念セミナー『女性が政治をつくる未来へ:日本の現状と北欧からのヒント』」にパネリストとして招かれ、お話をして参りました。
男女平等が進む北欧をはじめとする諸外国の方々が、ジェンダーと政治をテーマにした意見交換の場を継続的に設けてくださることは、日本の現状を振り返り、取り組みを加速させるための大変貴重な機会です。
本日は、私がパネルディスカッションでお伝えした内容の概要をご報告します。
<日本の現状と変化の兆し>
2018年に「政治分野における男女共同参画推進法」が成立しました。罰則のない努力義務ではあるものの、選挙の度に各政党の男女比が報道されるようになり、「政治の場にも女性がいたほうがいい」という空気が日本社会に加速度的に醸成されています。
政党による女性候補への追加の活動資金やシッター代の補助、民間団体による継続的な勉強会やハラスメント相談などの伴走支援に支えられ、立ち上がる女性候補者も増えました。
政党側も「女性候補者のほうが選挙に勝てそうだ」という空気を察知し、特に若手の女性を積極的に擁立する機運が高まっています。
昨夏の選挙を経て、参議院の女性比率は過去最多の29.8%となり、意思決定に影響を与える「クリティカルマス」に近づきました。ただ、衆議院は14.6%にとどまり、女性首長がいない都道府県、女性ゼロ議会や、ゼロを解消しても1~2人しか女性がいない議会は全国にはまだ多く、全体で見れば女性の政治分野への進出がまだまだ進んでいるとは言えない現状があります。
<北欧に学ぶ「前提を変える」こと>
後半では、北欧の先進的な取り組みについて多くの学びがありました。
例えばフィンランドでは、「会議は夕方4時まで」「土日は地元で過ごすため、月曜午前は国会の会議を入れない」といったルールがあります。翻って日本は、前日に翌日の日程が決まることも多く、17時以降の会議も珍しくありません。
出席した女性議員からもお話がありましたが、会議の終了時間を尋ねた際、「議論が尽きるまでだ」と言われたと。これでは子どものお迎えや家事の見通しが全く立ちません。
「家事や育児を誰かに丸投げし、政治に専念できる人たちだけが議会にいる」という今までの前提を変える必要があります。
かつてスウェーデンの首相が「政治家が普通の生活をしていなければ、国民の苦労はわからない」と語ったように、普通の生活をしていない政治家が作る政策は的外れになりがちです。ケアワークの負担が女性に5倍も偏っている日本において、「同じ苦労を分かってくれる女性に、政治の場にいてほしい」と願う有権者は確実に増えています。
日本からすれば遥かに男女平等が進んだ北欧の国々でさえ、「それでもまだ平等ではない」「ラストワンマイルを走っているのだ」と、今も努力を継続している姿勢に強く励まされています。
誰もが「普通の生活」を大切にしながら参画できる政治の実現に向けて、私も歩みを止めることなく、引き続き全力を尽くして参りたいと思います。