2019.05.14 17:33
田植えの季節です。
四季折々に表情を変える秋田の景色は本当に素晴らしく、なかでも田んぼの水面が光り輝く今の季節は、本当に美しいものです。
私の横手の親戚も、米、さくらんぼ、りんご、ブルーベリー、桃、ほうれん草などをつくっています。
先日、ご挨拶がてら県南の農家の友人宅にお邪魔し、田植えを待つ田んぼの横でお話を聞きました。
色々お話を重ねながら、やはり話は「人っこいねぐなってきてよ」と人口減少の話に結びついていきます。
やはり、私たちが抱える最大の課題は、人口減少への対応だと思います。
強いものがより強く、弱いものがより弱く。
成り行きに任せていると、そのような現象はさまざまなところで起こるものです。
人口減少も同じ摂理。
高齢化が進んだ地方は、そもそも亡くなる方が多く、自然に人口が減る傾向にあります。
その上、進学や就職で都会に出ていく若者も多く、いわゆる社会減も大きい傾向にあります。
人口減少が進むと、地域経済も疲弊し、疲弊した地域への経済投資も控えがちになり、結果、一層の人口減少を招く。
その負の連鎖が加速度を増して進みます。
現在、日本で最も人口減少の速度が速いのが、私たちが暮らす秋田県。
そして、最も人口が増えているのは、首都・東京。
素朴に感じることですが、この人口の減少は、単に我々県民の努力不足によるものでしょうか。
確かに、県民性や県の政治や行政に原因を求める意見もあると思います。
私自身含め、改善しなければならないことはあるとも思います。
でも、秋田の人口減少が止まらないのは、秋田県民だけの責任なのでしょうか。
私は違うと思います。
根本的な原因は、政治が仕組みを変えないからだと思うのです。
人口減少は、秋田だけの問題ではありません。
直近の統計では、実に47都道府県中、40道府県で人口減少が続いています。
信じられないかもしれませんが、東北の中心都市を抱える宮城県も、関西の中心地大阪府すらも人口減少が続いています。
反面、東京はダントツに人口を吸収し続けています。
この大きな流れを、現行の「地方創生」という全国一律の工夫合戦では変えることが難しいと感じます。
もっと大胆な人口減少対策、東京一極集中是正の仕組みが必要なのではないでしょうか。
そこで1つ、恥ずかしながら提案ですが「人口減少対策特区」はいかがでしょう。
人口減少率が特に高い道府県に限り、大胆な優遇策を導入し、疲弊地域の可能性を伸ばすことで東京一極集中の流れをせき止め、人口減少地域の活力を取り戻す大きなきっかけを創る。
もちろん、人口減少率が改善されれば、優遇は他の県へ。
例えば、
●人口減少による地域経済の疲弊、消費減退を賄うために、
👉人口減少率が特に高い地域に限り、消費税を5%に減税
●地域企業の活性化、企業誘致の呼び水に
👉人口減少率が特に高い地域に限り、法人諸税を優遇
●より賃金の高いところに若者が流出することを防ぐために
👉(中小企業への賃金補助とセットで)最低賃金を全国一律化。
このような提案に、都市部の猛反対は必至と思います。
だからといって、遠慮をしている余裕は今の秋田にないと思います。
こんなものは現実不可能と思われる方もいるかもしれません。それでも、誰かが声をあげないと、何も変わっていきません。
秋田の現状をしっかり伝え、改善を訴えることは恥ずかしいことではないし、そしてその訴えが持つ力を、私たちはもっと信じていいと思います。
加えて、このような政策は人口減少が進む地域のためだけではありません。
東京一極集中は、地方の体力を奪うことのみならず、過密した都会で暮らす人たちにもより強い負荷を与えます。
日本の経済をより強くするためには、各々の地方がもつ可能性を最大限開花させることができる仕組みが求められています。
人口のアンバランスを成り行きに任せているのではなくて、それを多くの人が暮らしやすさを享受できるように持っていく仕組みを作るのが政治の役割だと思っています。
ご指導を賜りながら、頑張って参りたいと思います。
写真は田植えを終えた友人宅付近にて。