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誠意とは何か

2019.06.10 17:18

住民の想いを、まずは受け止めてもいいのではないか。そう強く思った説明会でした。
昨日の夜、秋田市の文化会館で開かれた「イージス・アショア」の説明会に参加しました。

住民向けの説明会は土曜、日曜と企画され、先に行われた新屋地区での説明会では、住民の皆さんから厳しい声が寄せられたと伺いました。それは、イージス・アショアの新屋演習場への配備の是非ではなく、その説明会自体の開催の是非について。
この土日は、さきがけ新聞やテレビでも大きく報じられている、説明資料に事実と異なるずさんな数字が多数記載されていた件、その直後でもありました。だからこそ、予定されていた説明会の開催のあり方が、まさしく政府の住民との向き合い方を示す一つの指標となっています。

説明会に参加された住民の方が説く「内容を精査した上で、あらためて説明するのが丁寧な対応ではないか」との提案は、全くその通りだと思います。
ですが、防衛省はその声を受け止めることなく、半ば強行的に説明会を実行しました。

私が参加した会でも、間違いが発覚して数日が経っているというのに、資料そのものは訂正されておらず、正誤表を一枚添えただけ。その上、新たに口頭で説明した内容も、資料には反映されていませんでした。その理由を問われても、「知事や市長、議会の皆さんにも同じ資料を使ったので」という、理由にもならないような説明でした。

今回は、新聞社の懸命の努力で発見されたデータの間違いでしたが、レーダーなどその他の調査は、住民や一民間の会社でその検証が出来るような手段がないに等しいものです。それだけに、その調査が信じられるものかどうか、そこには前提となる信頼関係がなければなりません。

防衛大臣が言われた通り、今回の数字の訂正は「調査・検討結果全体の信頼性、信憑性を失墜させかねない」ものであり、県民と国との間の信頼関係は大きく損なわれました。
強行した説明会でも、住民の意見にも耳を貸さず、冒頭から1時間ほど、一方的に100ページの資料の棒読みのような説明を行ったことも、誠実さが感じられず、秋田県民の一人としてその誠意のなさに悲しくなりました。

そもそも、住宅街の目の前にミサイル施設を設置するなど、どのような角度で検討しても認められるものではありません。
その上、住民と真摯に向き合う姿勢すら示されない。

「あなた方にとってはどこか遠い国の出来事みたいな感じかもしれないが、われわれは毎日、ここに住んでいる」。

そう防衛省側に語りかけた男性の想いが通じる時は来るのでしょうか。


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