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私が頑張ること

2019.11.05 15:39

議員になって初めての広報紙を作るにあたり、初心をまとめました。

「仕事と子育ての両立はどうするのですか?」
当選後、多くの取材を受ける中で、必ず聞かれた問いです。確かに6歳の息子を抱える身としては大きな課題ではあるものの、これは私が女性であるから問われることであって、男性議員であれば聞かれなかった質問なのだと思います。まだ子育ては女性が主にするもの、という社会的な役割分担意識が強いことを感じさせられる出来事でした。

そして、今回の選挙では、舩後さん、木村さんという重度障がいを持つお二人が当選をされました。また、お隣の岩手では、車椅子を使用されている横沢さんも当選をされています。国会の中に3人のお姿があることそれ自体が、障がいを持つ皆さんにとっては大きな希望になったと感じます。また、重度障がいのお二人が働くために、勤務中は介護サービスが利用できないことが広く知られることとなり、当事者の方たちがこれまで困っていながら大きく取り上げられてこなかった問題に光が当たることになりました。ただその反面、「障がい者に仕事ができるのか」との指摘が、少なからず寄せられました。

「子育て中なのに」、「障がい者なのに」。そのような、国会議員として「普通」じゃない背景をもった議員が誕生したことが注目を浴びることになったのだと思います。

 ここ数年、特に子供が生まれてから、この日本の停滞が生まれたのは「家庭を顧みずに働ける健康な男性」を中心に全てを回してきたからだと私は感じてきました。そこから排除されてきた、女性であったり、障がい者であったり、自身や家族の健康等の理由から職場を去らなければならなかった人たちの視点は、社会に還元されずにきました。そのことが、いま様々な問題をもたらしているのではないでしょうか。その人たちが活躍するための仕組みや制度は整えられず、その人たちの視点が活かされていたら生まれていたはずの商品やサービスは誕生することなく、結果として今の停滞を生んだのではないかと。街も建物も交通機関も、少しずつ改善されてきているとはいえ、基本的には健常者を前提に作られていて、障がいがある人や、足腰が不自由になった人、ベビーカーを押す人たちが楽に移動できるようになってはいません。法律やそれに付随する制度も、多様な私たちの人生やライフステージに対応してはくれない。そのような国のあり方が、どんよりと社会を覆う閉塞感を作り上げていると感じます。

その問題意識を抱えて、議員になって誓ったこと。それは、私自身が子育てというライフステージに伴う大変さを決して忘れないこと。この夏、私を応援してくださった方は、生活者としての目線や、主婦としての感覚、育児真っ最中の私の視点に期待をしてくださったのだろうと思います。それなのに「国会議員になったから」「やりがいがあるから」と、私が誰かに子供を預けっぱなしにして仕事だけをして、これらのことを忘れてしまったら、私が議員である意味が失われてしまうと感じます。

そして私は、私に託された時間と立場を、放っておいたら弱い立場に追い込まれる人たち、経済原則に任せていたら守られないもののために、懸命に働いていきたいと思います。具体的には、子供であり、女性であり、障がい者であり、様々な理由から少 数者と呼ばれる方たちであり、また、秋田に象徴される疲弊する地方であり、どんどん苦しくなる農家であり、動植物や自然、そして平和であろうと思います。

この国に住む誰もが、一人ひとり自分の価値観に沿って、自由に人生を歩む中で、困難にあたったときにはそれぞれに支援 がある。そのことが実現されて初めて、誰もが安心して暮らせる社会となり、国全体としても良い方向に循環していくと私は信じています。

そのために、人生の途上でぶつかる障がいや苦労、制度の狭間で行き場を失った問題を一つひとつ丁寧に解決していきたい。今は大丈夫な人でも、明日には事故、病気、あるいは災害で困難を抱えるかもしれません。運良く年齢を重ねるまで健康であったとしても、人生の晩年には、誰もが少しずつ足腰が悪くなったり、耳が遠くなったり、認知症を患ったり、不自由を抱えていきます。明日はどうなるかわからない私たち全員の未来のために、頑張りたい。引き続き皆さんからお声を伺いながら、授けて頂いた6年間という任期と立場をしっかりとまっとうしていくことを誓い、国会に足を踏み入れました。

不安になることもあるかもしれません。でも、「普通」の感覚を持った人が政治の場に少ないからいけないのだ、そのような思いで皆さんが私を押し上げてくださったのであれば、私にも果たすべき役割があると自らを鼓舞しています。育児も家事も全部人任せにして仕事にだけに専念できた人たちが主に政治をしてきた結果が、今の社会なのですから。
驕ることなく、心の根には強い自信と責任感をもって、皆さまの期待に添えるよう努力を重ねて参ります!

てらたしずか


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