2020.02.21 16:07
昨日から環境委員会の視察で富山県、石川県両県に足を運んでおります。
富山の天気は変わりやすい、10分おきに天気が変わるなどと教えて頂きましたが、本当にそのようなお天気で、そんな些細なことひとつでも、まだまだ知らないことは沢山あるし、来てみないとわからないことがあるなと感じます。
さて、富山県について。
全国で今年の7月からプラスチック製買い物袋が有料化されますが、それに先駆けること10年以上前から、富山県は独自に「レジ袋の無料配布禁止」を実施しています。
その結果、エコバックの持参率は全国で最も高く、なんと95%!の方が持参するとのこと。
地球温暖化、海洋プラスチック汚染の問題を考えれば、買い物袋有料化はほんの小さな一歩。
・・・という私も、買い物に出かけるという目的を持って出かければエコバックを持っていくものの、どうしても仕事帰りに「あ、明日のお弁当に入れるミニトマトときゅうりが・・・」と思い出してお店に立ち寄る時にエコバックがなく後悔することがあります。また、仕事のことや子供の明日の予定などで頭が一杯で、考え事をしていたらレジの所でレジ袋に入れてもらってからエコバックを持っていたことに気づいたり。。。
先日出席した環境関係の勉強会では、法律や制度がいくら整っても環境にインパクトをもたらすのは、結局一人ひとりの行動である、と。その一人ひとりの生活者をどう巻き込むかが重要だと教えて頂きました。私自身も当然ながら一人の生活者、消費者であり、このような日々の自身の行動一つひとつからそうしたことを実感しています。
富山県の話に戻ります。
富山県の方の説明では、富山県は、全国初の公害病の認定がされたイタイイタイ病の歴史があり、県民の環境に対する意識が高いのだと教えて頂きました。レジ袋の無料配布の禁止の取り組みも、条例ではなく、消費者団体の要望により、消費者団体、事業者、行政の3つによる協議会が作られ、その場での議論の成果として始まったものであるとのこと。
自主的な取り組みであることから、加わらない同業他店にお客が流れて売り上げが減るのではないかとか、クレームや万引きの不安などの声があったそうですが、実施にしてみるとそうした懸念は顕在化することはなかったとのこと。
また、沿岸漂着物を独自に調査し、多くの人が漂着ゴミは海外から来ていると認識しているが実は95%が国内、そして8割が県内から流出していることなども突き止めたとのこと。説明を聞きながら、同じ日本海側の秋田県も他人事ではないと身が引き締まりました。
富山県はこの他、食品ロスの削減等も含めた取り組みが評価され、北陸の他の3自治体と共に国のSDGs未来都市に選ばれています。
自ら考え、自ら変えていく、そのような先駆的な姿勢に敬服いたしました。
今回、視察を含めこうした先進事例に学ぶ機会をいただいたことを感謝しながら、しっかりと国の制度の議論に生かし、身の回りの生活の一つひとつのことを改め、環境のためにできることを精一杯頑張りたいと思います。
てらたしずか
※写真は古紙再生等を担う石川県の加賀製紙株式会社にて。
虎屋さんなど、様々なお菓子の外箱や本の表紙などになる厚紙を作られています。