2020.05.14 15:55
長い長い休校を終え、県内の多くの小中学校が先週の木曜日、秋田市の小中学校も今週から授業が再開されました。感染の不安を抱えつつも、登校する子どもたちの笑顔にほっとしていらっしゃる保護者も多いと思います。
2月27日に突然発せられた休校要請。それから約二か月半、我が家も子どもがおりますが、お子さんを抱えた家庭は本当に大変だったと思います。
今回、これまで当たり前だった学校が子どもたちの日常からなくなったことで、子どもたちを取り巻く様々な問題が浮き彫りになりました。
まずは、毎日の給食がなくなるとお腹を空かせる子どもたちの存在。
「新型コロナウイルスの影響で収入が減り、子どもたちに十分に食べさせることが出来ない。毎食そうめんを一束ずつ食べている」
「支援団体にお米を届けてもらい、久しぶりにおにぎりを食べられた」
都会だけの問題と思われがちですが、秋田でも、休校が始まってからNPOの方々がフル稼働で無料のお弁当を配ったり、困っている家庭に食料を届けたりしてくださっています。彼ら彼女たちの頑張りで多くの家庭が救われておりますが、個人の善意やパワーだけでは限界があるともおっしゃっていました。本来であれば行政が担うべきこうした役割を総力をあげて果たしてくださっている各団体の皆さんには本当に頭が下がります。
全国に目を向けると、休校になっても希望者にだけ給食を提供した自治体もありました。感染予防の観点から授業が出来なくても、給食だけ作って、密にならないように気を付けながら子どもたちに取りに来てもらう試みも、子どもたちを救うために必要ではないかと思います。苦しい家庭にとっては子どもの昼食代が助かりますし、共働きも多い中、昼食を含め3食家庭で用意するのはそれだけでも大変なもの。給食用に食材を卸している業者さんも振り回されず、学校側は給食を取りに来た子どもの健康確認もでき、なかなかよい試みではないかと感じます。
フードバンクでボランティアをしている知人は「日本は今こそ貧困問題に取り組まないといけない時期だと思う」とおっしゃっていました。私も同感です。
また、学校が子どもの見守りという重要な機能を果たしていたことも再認識されました。
厚労省は4月末、虐待防止の観点から二週間に一度は先生たちが子どもたちと直接話すことを求めました。学校の先生が信頼できる唯一の大人である子どもたちもいます。学校の電話回線が少なく、先生たちは順番でかけている状態だと聞いていますが、今後また休校になった際には、先生方には、子どもの安全確認ということも基本として念頭に置きつつ電話をかけていただけたらと思います。
そして、休校中でも毎朝子どもたちの顔や家庭での様子が見られるように、インターネットを利用した「朝の会」等が開催できる体制を早急に整える必要があると思います。設備が整っていない家庭もあり、そして、施設で生活する子どもたちには全員分のパソコンやタブレット、ネット環境が整わないこともあって、全員がすぐに参加することは難しいとも思いますが、政治と行政が環境を整える努力を最大限しながら、参加できない子どもたちには個別に電話をするという対応をしてもいいのではないでしょうか。
ここで、元不登校児の私から、不登校のお子さんとその保護者の方へお伝えしたいことを。
私が不登校の時、先生から電話が来るのが苦手でした。
拒否感のある学校から連絡が来るのというのは、学校に来いと言われずとも、連絡自体にプレッシャーを感じるもの。ただ、今大人となり、議員という立場となり、虐待に遭う子どもたちの話を見聞きしていると、不登校の子どもに余計なストレスを与えないということと、虐待に遭う子どもたちを見つけ出すということはなかなか両立しないものだという難しさを感じています。
ここはなんとか、命の危険がある虐待に遭っているかもしれない子どもたちを救うために、先生達の負っている使命に思いを向けていただき、少しだけ我慢をしてもらえたらと思います。実際に、私も不登校だった時のことを思い出せば、私が単なる不登校なのか、親から虐待を受けていて学校にも来ないのか、などということを先生たちが判別するのはなかなか難しいことだっただろうなと思うからです。
突然始まった臨時休校で、今回は残念ながら子どもたちの安全が万全だったとは言えませんでした。電話相談を受けている友人も、3月中はまだよかったが、4月に入って子どもや高齢の両親に手をあげてしまう、ペットに当たってしまうといった相談が増えていたとのこと。緊急事態宣言が続く地域では依然休校措置がとられたままとなっています。学校とそれを支える文部科学省、各教育委員会には、子どもたちの安全確認を予断なく行っていただくとともに、新型コロナウイルスの第二波、第三波によって、または別の感染症で、自然災害で、またすぐに休校になるかも知れないという危機感を持って、休校中でも子どもたちの笑顔を守ることができる体制づくりに早急に取り組んでほしいと思います。
そして、お子さんに手をあげてしまう保護者の方へ。
どうか、助けを求めることに躊躇をしないでください。
この状況下でストレスを感じるのは誰しも当たり前のこと。
収入が減り、環境が変わり、これからの見通しも立たない。
子どもたちもそれぞれストレスをかかえ、いつもとは違う。
こんな状況で私も声を荒らげたくなることも幾度となくありました。
それは恥ずかしいこともでもなんでもありません。
世界中の人が同じことで苦しんでいます。
決して自分一人ではない。
助けを求めていい。
誰も完璧な人間など存在しない。
助けを求めることを自分に許してください。
一人ひとりの子どもたちは私たちみんなの宝物。私も頑張って参ります。
<子どもの虐待に関する相談>
・全国どこからでも189(いちはやく)
※お住まいの地域の児童相談所につながります。子どもを叩いてしまったといった当事者からの相談にももちろん応じています。
・18さいまでの子どもがかけるでんわ: チャイルドライン0120-99-7777
https://childline.or.jp/
<食料支援を行なっている団体>
秋田たすけあいネットあゆむ
https://blog.goo.ne.jp/akitatasukeai
フードバンクあきた
http://foodbankakita.com/index.html
東京・埼玉・神奈川:セカンドハーベストジャパン
https://2hj.org/recipient/individualuse.html
*メッセージを頂く方のご住所から、こちらでは秋田県内の2団体と首都圏の1団体をご案内しています。
写真は、、ふと振り返ると暇を持て余しておもちゃ棚にシールを貼っていた我が子