ブログ

一人でも多くの救える命を

2020.11.12 17:32

先日10日は20年前に亡くなった弟の誕生日でした。

もう20年が経ったのかと思いながらもいつもと同じ生活を送っていると、宮崎市の小学校で心肺停止に陥った男子児童を教員たちが連係して命を救ったという記事が目に止まりました。

https://news.yahoo.co.jp/.../0e9df1d54b002b362eeed13154d5...

この記事によると、教室で給食の食器を片付けていた小学生の男子児童が突然倒れ、心肺停止の状態になった際、周囲にいた先生たちが、AEDを確保、心臓マッサージ、119番通報と連係して対処。
倒れてからの15分間、AEDによる処置と心臓マッサージ、呼びかけなどを行っていると、意識が回復。無事救急隊に引き渡され、倒れた児童は後遺症もなく、現在も通学しているとのこと。
先生たちの適切な対応のお陰で、一人の子どもとその家族の人生がつながれたと感じます。

私の弟は、大学の講義の最中に倒れ、そのまま意識は戻ることなく、1年3ヶ月の闘病生活を経て亡くなりました。
いまでも弟が倒れた時に関わってくださった皆さんには感謝の気持ちしかありません。
ただ、その時もし近くにAEDがあり、一般の人にも使用が許され、倒れた直後に教室で使われていたら、と、今でも思います。

AED(自動対外式除細動器)が誰でも使えるように解禁されたのは、弟が亡くなった後のことでした。
AEDとは、心臓に致死的な不整脈が起こった時に、心臓の拍動を正常に戻すために電気ショックを与える機器のこと。
当時、日本ではAEDは法律上医師のみにしか使用が認められておらず、2003年に救急救命士が、2004年に一般の人も使用できるようになりました。

今では多くの公共機関のみならず、民間施設にも設置されるようになりました。

以前もこのブログで書きましたが、AEDの周知のために再度記したいと思います。

AEDは心臓が機能しているかコンピュータが確認してくれます。必要なければスイッチを押しても電気ショックは作動しないので、医学的な知識がなくとも誰でも安全に使えます。

目の前で急に誰かが倒れたら、誰でも動揺するでしょう。
でも、周りの方と連係して救急車を呼び、AEDを探して迷わずに使ってください。
その勇気ある行動が、誰かの大切な人の命を救うことになります。

心肺停止から1分経過するごとに蘇生する確率はどんどん下がり続け、救命行為を何も行わずに5分が経過すると、蘇生する確率は1〜2割に落ちます。
救急車が到着するまでの所要時間の全国平均は8分半。この数字がいかに絶望的かがお分かりいただけると思います。

皆さん、いまこのブログをお読みになっている場所の近くにAEDはありますか。
会社など、自分が日常的に滞在するところについては、AEDの場所をあらかじめ把握しておくことがとても大切です。いざという時に1分の遅れが救命率に直結するからです。

先の記事に出てきた小学校の教員たちは4年前から毎年、教室でAEDを使った救助訓練を実施してきたとのこと。

AEDの使い方・設置場所を一人でも多くの方に知っていただき意識をしてもらうことが、いざという時に命が救われることにつながると信じています。

救える命を確実に救えるよう、お一人おひとりの方がAEDへの覚醒度を高めてくださるように心からお願い致します。

写真は私の事務所最寄りのAED。
参議院会館では、地下一階のコンビニ脇、各階の両端のリフレッシュスペースに設置されており、このボックスを開けると警報装置が作動し、協力者が駆けつけてくれます。


トップへ戻る