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何を学んだのか

2021.01.27 16:47

感染拡大防止のためにリモートを部分的に実践しつつ、国会のある日は事務所でお弁当を食べる日々です。

写真は秋田市出身の方が国会近くで営む「アガッテタンシェ」というお店のもの。
以前であればレストランでしか楽しめなかった本格的な味が、お弁当で味わえるようになったことは、消費者にとって、このコロナ禍においての小さな喜びではなかったかと思います。

終日の外出自粛が呼びかけられている緊急事態宣言下の自治体では、飲食店を中心に、一層の苦境が続いています。

今回、飲食店の時短営業に対する迅速な給付をとのことで、一律の給付が決まり、大型店や高級店を中心に、「そんなものは雀の涙でしかない」「家賃にもならない」といった悲痛な叫びが広がっています。

一方で、小さなお店にとっては、「1日6万円の利益が出る日はまれ。これを機会に店内のリフォームをして宣言明けに備えよう」などというところもあって、規模に応じた補償がされない矛盾が露呈しています。

迅速な給付はもちろん大切なことですが、国内での感染者発見から一年という時間が経過したというのに、どうしてしっかりとした仕組みを今まで組み立ててこられなかったのかと思います。

影響を受けているのは飲食店に限りません。多くの業態において、外出自粛の影響から来店者数の減少と売上の大幅減に苦しんでいます。この未曾有の災難に対しては、十分な補償制度を整え、営業の自粛をしていただく以外に、感染を封じ込める道はないと考えます。

どこの国も同じような状況に苦しんでいるじゃないか。そう思われるかもしれません。
ただ、この一年で明らかになったのは、国の対策のいかんにより国民の暮らしが大きく異なっているということです。
オーストラリアに住む友人は、感染者がゼロになり、飲み会や結婚式も今は従来通りに行うことができ、コロナのことが話題になることはほとんどなくなっているとのこと。隣の州で一人感染者が出たからまた少し気をつけなきゃいけないかな、ということがたまにある、という程度で、以前の日常と変わらない風景が戻っているのとのこと。お隣のニュージーランドも同じです。

それは南半球で、今はあちらの季節は夏だから状況が違うと思われる方もあるかもしれません。
ただ、台湾、ベトナムなど、北半球の国でも同様に感染を封じ込めている国が複数あります。

感染防止か経済か。
今も国会でその両立を主張される議員もありましたが、これは同時にできるものではないということを、私はこの一年、他の国の対策などを見てきてほぼ確信しました。
完全な封じ込めののちにしか、経済の本当の再起動はできないと考えます。

しっかりと個人や団体、企業に補償を徹底した上で、封じ込めのための検査・隔離の徹底、エッセンシャルワーカー以外のリモートワークの徹底、不要な外出の自粛を呼びかけること。
そして、封じ込めが終わった地域から経済活動を再開し、一人でも感染者が出たらまたその地域での警戒レベルを上げて徹底的な検査と隔離を徹底する。

この繰り返しによって、感染を封じ込めた国々は今、以前と変わらない日常が戻りつつあります。
友人とのたわいのない食事をしながらの会話、飲み会、結婚式。こうした日常を過ごす海外の友人らの様子をSNS等でみるにつけ、日本もやり方によってはこうした生活ができていたのにと思うとやりきれない思いです。

二週間ほど前、子どもの友人に感染者が出ました。いわゆる濃厚接触者には該当しなかったものの、万一にも国会に持ち込んではと、慌ててネットであちこち検索をして、民間によるPCRを手配し、開会2日前に子どもの陰性を確認しました。
この一連のあたふたとした経験だけを踏まえても、コロナの蔓延を防ぐには、少し不安だとか、体調が怪しいと思えば、経済的な負担を気にせず、誰でも検査にアクセスが容易できるようにすることは、コロナ対策の根幹だと身をもって実感しました。
実際、多くの国で、国民に向け、無条件、無料の検査が充実し、ドライブスルー検査やエッセンシャルワーカーへの定期的な検査が行われていますが、日本は検査へのアクセスのハードルがまだまだ高いと言わざるを得ません。

年末に突如命を落とした羽田雄一郎議員は、検査に向かう途中に命を落としました。
発熱から3日目のことでした。
私たちがここから何を学ぶのか。

一日も早く日常の生活が戻るように日々努力をしたいと思います。


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