2021.02.04 17:57
「女性がたくさん入っている会議は時間かかる」
「女性の理事を増やしていく場合は、発言時間をある程度、規制をしないとなかなか終わらないので困る」
「私どもの組織委員会に女性は7人くらいか。7人くらいおりますが、みなさん、わきまえておられて。みんな競技団体からのご出身であり、国際的に大きな場所を踏んでおられる方々ばかりです。ですから、お話もシュッとして、的を射た、そういう我々は非常に役立っておりますが」
詳しくはリンクをご覧いただけたらと思いますが、これらは全て、総理大臣を務められたこともある森喜朗氏の発言です。
https://digital.asahi.com/articles/ASP235VY8P23UTQP011.html
こういう方が意思決定権を握っている限り女性は意思決定の場に増えていかない、という構造的欠陥が日本社会に純然と残っています。
例えば、「国際社会で場数を踏む」にも、こうした考えの男性が意思決定の場にいたら、そもそも女性が「国際社会で場数を踏む」等の機会そのものに恵まれ辛い現実があるのです。
ピンとこないという方も、これらの森氏の発言の「女性」を「黒人」と言い換えたら、差別的だということを感じていただけるかと思います。
アメリカでは、女性を意識的に増やすことで差別をなくしていこうとの動きが始まっていると言います。バイデン政権は、副大統領に女性のカマラ・ハリス氏を起用。広報チームは7名全員が女性。こうした実際の動きは、自国の社会に対するメッセージを内包しています。かたや日本は、女性活躍と言いながら、内閣に女性は二人だけ。この現実が、「女性活躍は言葉だけの空疎なものである」とのメッセージを私たちは無意識に受け取っています。2020年までに女性を30%にといっていた国のトップがやることがこれなのですから。
こういうことが起こるたび、冷笑してやり過ごしたり、げんなりするだけではなくて、一人ひとりが意識してなくす努力をしなくては、こうした差別、この社会の欠陥が、次の世代に引き継がれてしまいます。
いま、多くのメディアやSNSで森氏の辞任を求める声が高まっています。
ご存知の通り、過去に森氏は、子どもを産まなかった女性を税金で面倒を見る必要はないとの趣旨の発言をされた方でもあります。こうした発言があったときに、これからも謝罪と撤回で済ませ、社会の要職に留まることを容認していくのか。日本の動向が国際社会からも注目されています。
声を上げてくださる方々の想いが届くよう、努力したいと思います。