2021.07.02 17:23
生理の貧困について初めて国会で取り上げたのは、私が首班指名で一票を投じた伊藤孝恵さんだったと記憶しています。
経済的な理由や、例えば親子関係の問題、父子家庭なので父親には言い出しにくかったりといった理由で、生理用品を手に入れることが難しい女性や少女たちがいるということに光が当たるようになりました。
自治体単位での支援も全国で始まり、秋田県内でも、大仙市、ついで湯沢市、北秋田市でも支援が始まりました。秋田市では、民間の支援団体が配布をしています。
かくいう私も、人前で生理の話をすることには今も心理的な抵抗がないと言えば嘘になります。
男女の国会議員、20名ほどが集まった超党派の勉強会で、男性の講師が生理の貧困の支援について語っているときも、言いようのない居心地の悪さを感じました。これは、私が「生理のことは人前で語ることではない」という教育を受けてきたからに他なりません。男女別に分けられて性教育や生理の話をされる、というのは、これまで日本の学校の当たり前でした。
でも、こうした環境が、父子家庭だから言い出しづらくて・・・といった少女たちを生み、その姿は社会から見えづらくなって、「ほとんどないこと」どころか存在すら気付かれずにきました。
私も含めて、全ての女性たちは、生理について語るこの心理的抵抗を乗り越えて、支援を必要とする女性や少女たちに確かに届けるために、ためらわずに語っていく必要があると感じています。
学校にナプキンを置いてくださるところも出てきていますが、やっぱり誰にも気付かれずにそっと手に取ることができるように、保健室や手洗い場に置いてあるよりはトイレの個室に配置されていてほしい、そして、そこには、何か他にも困ることがあって身近な大人には相談しづらいということがあるのならここに電話してほしいといった連絡先が記されているカードが一緒に置いてあってほしい。ちょっと想像しただけで、さまざまなことが浮かんできます。私自身も含めて、生理については人前で語らないものだという意識を改革し、政治や行政には、どうやって困っている人に手を差し伸べるのか想像力を働かせたアウトリーチ型の支援が求められています。
また、生理用品は生活必需品であるにも関わらず、軽減税率の対象となっていません。
例えばドイツでは、生理用品が軽減税率の対象となっていなかったために、そのことへの抗議として、軽減税率の対象である書籍に15個のタンポンをおまけとしてつけて販売。その後、そうした戦いが実り軽減税率の対象となったという出来事があったそうです。もちろん、消費税の税率がより高いヨーロッパだからこそで(ドイツの消費税は19%。生活必需品は軽減税率で7%)、日本の2%の差(生活必需品8%、その他は10%)では同じ方法は通用しませんが、日本の女性たちはもっと声をあげていいし、これもまた女性の政治家が少ないからこそだなと感じています。
これからも、同じ視点で問題を指摘し改善につなげられるよう、超党派の女性議員と連携しつつ頑張りたいと思います。
*尚、ドイツに関しての消費税率は当時のもので、この7月から半年間の限定措置として、消費税率は16%に、軽減税率も5%に引き下げられました。
写真) 生理用品の無償配布をお知らせする大仙市の案内