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若い世代を政治の真ん中に

2021.10.12 16:17

「デンマークでは、高校から友人や同級生が選挙に出たり、議員になったりします。だから自然と選挙や政治、社会のことに関心を持つようになります」

こんな話を最初に知ったのは、「北欧の幸せな社会の作り方〜10代からの政治と選挙」という本。

その後、若者の投票率が80%を超えるデンマーク留学をきっかけにNo youth No Japanという団体を立ち上げ、若者の政治参加に取り組んでいる能條さんからも同じような話を聞きました。

地元でみなさんから幾度となく聞かれるのは、どうやったら若者に選挙や政治に関心を持ってもらえるかということ。

私は以前から、年齢が若ければ当然経験していることも限られ、政治や社会の制度の矛盾や谷間を知る機会がそもそも少ない、だから、どうしても関心を持てないというのはむしろ自然なことなのだろうと感じてきました。

就職活動、税金や社会保険料など差し引かれる額が記された給与明細、結婚、出産、育児、子どもの保育園や学校のこと、自身の病気やケガ、親の病気や介護など、ライフステージが変わるにつれて、社会の仕組みや制度に左右される自分の生活に気付き、初めてそれを決めている政治に意識が向くようになります。

ですので、そうした機会がまだ少ない若い人ほど政治に目が向かないのはある意味仕方がないことだと。

でも、「同級生や周りの友人たちが立候補したり、議員になったりするので政治に関心を持つようになる」という話は、逆方向からの意外な解決策。

もし18歳の若者に選挙に出る権利(被選挙権)が与えられ、自分がさまざまな社会の矛盾を解決する手段を与えられるとしたら、当然のごとく若者は今より社会のことに関心を払うようになるでしょう。

ヤングケアラーや社会的養護のもとにいる若者、学校や教育のあり方に矛盾を感じたりしている当事者や、そうしたことに苦労する同級生の姿を見て、社会を変えたいと立候補をする若者も出てきて、これまで放置されていた若者が抱える問題に政治の目が向くことになり、政策の優先順位もきっと変わるに違いないと思います。

また、若い候補者や議員のその周りの同世代もその人を通して政治に関心を持つようになります。私が議員になったことで、以前より政治のことに関心を持って見るようになったといってくれたママ友がいたように。

政策決定の場でも、若者の声をどう政治に反映させるか、というのは大きなテーマになっています。

私の所属は環境委員会ですが、小泉前環境大臣は、繰り返し気候変動等の政策テーマについて若者との対談を重ねていました。気候変動など若者ほど大きな影響を受ける政策課題については特に若者の意見を入れていくべきだと、私からも様々な提案させていただきました。

例えば、選択的夫婦別姓、国際的に推奨されている幼少期からの包括的性教育の必要性、LGBTの差別禁止や同性婚実現などの課題は、世論調査の結果を見れば若い世代ほど理解が広がっています。にも関わらず、非常に保守的な考え方を持つ一部の上の世代の政治家の大きな声により重きが置かれ、日本の未来を決めていく政治の場で、これからの世代の声が反映されているとは言えない現状があることに矛盾を強く感じています。

こうしたことの解決策としても、18歳被選挙権は一つの大きな解決策になるものと考えます。18歳で議員になるということが突拍子のないことのように聞こえるかもしれませんが、このことを一年ほど様々な場面で考えてきた今、私にとっては、これからのことを決めるのにこれからの世代に発言権がない現状の方がよほど悪い冗談だとすら感じています。

今回の組閣で、若手が登用されたと報じられていますが、実際には前政権から平均年齢は1.4歳上がり、新しい内閣の平均年齢は61.8歳です。

かたや、最近総選挙が行われたドイツでは、3人に1人の国会議員が40代以下となったというニュースもありました。

週末に行われた地元の選挙でも、住民は世代交代を選択したように感じます。

18歳から被選挙権をもち、10代、20代の議員が国会にある程度存在するようになったなら、きっと、子どもを取り巻く環境や教育、彼らが望むこれからの社会のかたちについて議論される機会がもっと増えるに違いありません。

意思決定層の世代交代を進めるために、18歳被選挙権の実現を希求していきたいと思います。


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