ブログ

服の消費の在り方を見直す

2022.05.06 17:33

サステナブルファッションという言葉を聞かれたことはあるでしょうか?

日本では年間10億着の洋服が新品のまま捨てられていると言われています。実に4着に1着が一度も着られることがないまま処分されているのです。

お店の売れ残りはもちろんですが、買ったまま一度も袖を通さず捨ててしまった経験があるという方もあると思います。

私自身も、シーズンの終わりに、セールだ、来年着るのにきっとちょうどいいなどと子どもの少し大きめの服を買っておいて、タンスにしまい込んで存在を忘れ、気付いた時にはサイズアウトしてしまっていて反省をすることもしばしば。

もちろん、2、3才年の離れた子どものいる友人らにお下がりしているのですが、そもそも必要のないものを買わないという消費行動が本当は何より重要です。

日本では、98%の洋服が輸入されています。

安いから、洗い替えがあった方が良いからとつい子供服を安易に買ってしまうこともあるのですが、当然のことながらこうした洋服の輸送でも膨大な二酸化炭素を排出しています。

環境省の中にもこうしたファッションにまつわる課題を解決し、持続可能なものにしようと既にタスクフォースが立ち上がっています。

安易な買い物や大量消費をしない、お気に入りを長く大切に着る、着られなくなったものを処分する際にはゴミに出すのではなくて、リユース・リサイクルに回すことも選択の一つです。

より環境に関する意識の高い海外のファッションブランドは、早くからこうした取り組みを進めてきましたが、日本でも、少しずつこうした課題に向き合うブランドが増えてきています。

お休みを利用して、そうしたお店の一つ、「BRING」さんを訪ねてきました。

環境などの課題に関して発信している、ニューヨーク在住のジャーナリストの方から教えていただいたブランドです。

「地球を着まわす服を、服からつくるブランド」として、国内約3千ヶ所からボックスに入れられた洋服を回収、分別してリユースできるものは国内でリユースに、リユースできないものは分解して繊維をリサイクルし、新しい洋服作りに利用されます。

ペットボトルから繊維を作る技術はこれまでにもあったものの、繊維から繊維を作る技術は今までほとんどなかったのだそうです。

デザインもシンプルで機能性も追求されていて、経済産業省のグッドデザイン賞も受賞されています。また、環境配慮のあるブランドではあまりなかった子供服も製造・販売されていて、応援の意味も込めて私も一枚買い求めました。

ファッション大国フランスでは、事業者が売れ残った衣料品を捨てることが今年の一月から禁止されました。拡大生産者責任がファッション業界にも適用され、事業者に対して、寄付やリサイクルに回すことが義務付けられています。

たった一枚の洋服ではありますが、買い物は投票に似ていて、自分の消費行動が経済の在り方、企業の在り方を形作っています。かねてからの原油高、ロシアによるウクライナの侵攻により、多くの商品が値上げされるこの機会に、より多くの方に洋服の買い方、処分の仕方を見直してみていただけたらと思います。


トップへ戻る