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北欧の幸せの国

2022.12.19 12:47

今年の雪は遅いと思っていたのも束の間、故郷の横手市が全国ニュースに登場するほどの大雪となる季節がやってきました。実家の父は、雪に覆われて全く姿の見えなくなった車を掘り出すなど、一日中雪かきに追われています。

極寒の中、ユニセフによると、ウクライナでは700万人の子どもが、電気や暖房、水道が十分に使うことができない影響を受けており、150万人がPTSD(心的外傷後ストレス障害)やうつ病などの懸念にさらされているとのこと。何もできないことをもどかしく思いつつ、所属議連を通じて少しですが現地に発電機を送るプロジェクトに寄付をしました。

このような中、先日フィンランド大使館にて行われた独立記念日レセプションは、今年は例年とは全く違うものであったはずです。

ロシアとの国境1300キロを接するフィンランド。

例年、幸福度ランキングや国際学習到達度調査PISAでも常に上位に入り、先進的な教育や福祉関係の視察が絶えず、サウナ、ムーミンとサンタクロースで有名な北欧のこの国は、105年前にロシアから独立しました。万一フィンランドが今ロシアの一部であったなら、こうした同国の繁栄と幸せはなかっただろうというのは容易に想像ができることと思います。

先日、国防大臣(男性)が2ヶ月の育児休暇を取得することでも話題になったばかりのフィンランドですが、大使館で行われた次期大使(女性。各国に派遣している大使の半数が女性とのこと)からは、独立戦争を戦った世代への感謝、そしてウクライナへの最大限の賛同の言葉が述べられました。フィンランドは今年5月、隣国スウェーデンとともにNATOへの加盟を申請しましたが、大使館の方とお話しすると、「昨年の今頃NATOへの加盟の是非などと問われても誰もが冗談だと思ったことでしょう」。この一年であまりにも世界の風景は変わってしまったと感じます。

以前、フィンランドの教育に関するワークショップで教えてもらったのは、小さな頃から、日常の生活の中での小さな選択、洋服や遊びなどの選択肢を与えられて、自ら選び、その選択を尊重されるということの繰り返しを無数に積み重ねて、人々は「自分の選択で社会を変えられると信じている」ということ。かたや、ロシアの社会に関して述べられた新聞の論説では「民主的な政治体制があったことはなく、人々は全てを諦観している。ロシアの人々はいわば千年の奴隷だ」と。フィンランドとは対照的に、ロシアでは、自分の選択が社会を変えると信じることなどできない状況に長く置かれているということなのだろうと理解しました。

クリスマスシーズンのフィンランド大使館での温かなおもてなしに触れながら、こうした両国の対比を改めて感じ、過去の選択が人々の生活に与えうる影響の大きさ、個人の選択をはるかに凌駕する政治の選択と行動の結果が、100年後の後世の暮らしをも大きく左右している現実に厳粛な気持ちになり、100年前のフィンランドの人々の苦難と、今も続くウクライナ侵攻、政治の責任の重さに思いをいたしました。

写真はフィンランド大使館、独立記念日レセプションにて。

サンタクロースとともに登場した次期大使。先日国会に誕生したサウナ議連の話でも盛り上がりました。


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