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小娘たちの行進

2019.05.30 13:00

子どもが増えないのはなぜか。
また政治家から「子供を最低でも3人くらい産んでもらうようにお願いしてもらいたい」との発言がありました。このような発言は度々あり、その度にモヤモヤとした思いを持っていました。少子化なんだから当たり前と擁護する声も実は少なくないのですが、ここは丁寧に考えたいのです。

このような発言をされる方は、今回の政治家と同じシニア男性に多いように思います。おそらく、それはなんら悪気なく、彼らから見れば「小娘」のような年下女性に対して、アドバイスのように発せられているのだろうと想像できます。でも、彼らが望むように子どもが増えていかないのは、「小娘」達がアドバイスを無視してるからではないことをわかって欲しいのです。

私は思うのです。
日本の社会は長く、その「小娘」を蔑ろにしてきて、でも、その「小娘」たちしか命を生み出すことができないからこそ、その帰結として人口減少が進んできたのだと。

勉強しろ、
いい学校にいけ、
いい会社に入れ、
仕事はいいから、もういい人を見つけて結婚しろ、
結婚したら仕事は辞めろ、
早く子どもを産め、
一人っ子はダメ、
早く二人目を〜等、「小娘」へのプレッシャーは絶えることがありません。
そしてさらにここ数年は、ちゃんとした育児との両立の環境を整えてもくれずに、仕事もして稼いで税金を納めて「女性活躍」しろ、というのはあんまりじゃないかと。私たち一人ひとりの人生には寄り添わず、単に経済を支えるコマとして見られているようで。

「子供は少なくとも3人は産むように」と発言した方には、時に職場で女性たちは、こんなことを言われている事実を是非知ってほしいのです。

「新入社員が妊娠なんてありえない」
「妊娠は順番を考えて(先輩が優先。産休、育休の人が増えると職場が大変なので)」
「育休があけたと思ったらまた妊娠?(社員として)育ててあげようと思ってるのにタイミングを考えて」
「3人目(の育休)だって?犬じゃあるまいし」
これらは全て私が見聞きしたものです。

一方で、先日お話しさせていただいた15人ほどの会の中には、不妊治療に200万かけたが授からなかったという方が2人いました。貯金がつきて、諦めがついたとも。私も結婚後4年、子どもを授かりませんでした。子どもが欲しくても授からない人がいる。誰もが妊娠する時期を選べるわけではない。こんな当たり前のことが、きっと見えていないから、冒頭の発言が出てくるのだろうと思うのです。

こうした状況を作っている一番大きな原因は、やはり意思決定の場に女性が少ないこと、いわば「小娘」が政治の世界に少なすぎることだと私は考えます。
「私たち抜きに、私たちのことを決めないで」とは、障がい者施策に関して述べられたものではありますが、女性を取り巻く環境についても同じことを思うのです。

一人ひとりの女性が、いえ、男性も含めて、私たち一人ひとりが自分の価値観に沿って自由に人生を歩む中で、その1つひとつの選択がそれぞれ尊重され、よりよい人生を歩んでいくことが出来るように支援がなされる、そうしたことが実現されてはじめて、子どもを産み育てたいと思う人が増える国や社会になる、そうしなければ子どもは増えていかない。出産年齢にあるひとりの女性として、強くそう思います。

この夏の選挙には多くの女性候補者が揃うと聞いています。
その中の一人として頑張りたいと思います。
小娘たちの行進を。

写真は、一斉に母になった友人たちと。


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