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支援の手が届くように

2020.04.23 16:58

家庭内暴力(DV)を受け困難な立場にある方は、国が用意した10万円の給付金を受け取ることができるのか。

私も問題意識をもち、方々に働きかけていた件について、昨日政府から一つの回答が示されました。

今回の給付金は、基準日(‪令和2年4月27日‬)に市町村の住民基本台帳に記録されている方全員が対象ですが、家族分が一括して世帯主の口座に振り込まれるため、暴力を受けて世帯主から逃れている人たちが給付金を受け取れないのではないか、との懸念がありました。私のもとにも心配の声が寄せられており、夫と共に総務省責任者と議論し、改善を求めておりました。

昨日の発表によると、配偶者の暴力から避難しているが、諸事情により住民票を移すことができない方、または基準日の翌日以降に配偶者の暴力から避難している方が、一定の要件を満たし、その旨を申し出た場合は、避難している方が居住する市町村から給付金を支給されることとなりました。
詳しくは添付の写真(末尾には解説リンク)のご案内をご覧ください。

一週間前、急遽、減収世帯に30万円を給付する措置から、一律一人当たり10万円の給付へと変更になりました。その為に、制度設計を担う総務省の方たちも相当大変な思いをしていると聞いております。
そのような中においてDV被害者の方々が給付金を受け取れるように、仕組みづくりに真摯に取り組んでくれたことは、素直に評価したいと思います。
夫によれば、連日議論していた総務省トップから「二重払いを覚悟してでも、そのような方々にはしっかり給付する仕組みを作ります」と返答があったとのこと。

そもそも論として、世帯主を受給権者とすること自体を見直すべきだとは思います。その点は強い疑問を抱いています。ただ、こうした非常事態の中、今回は一日でも早く、一人でも多くの方に届くよう、それと共に、DV被害や経済的困難を抱えられている一人ひとりの方に届けられるよう、最大限努力してくれたと感じています。

家庭内暴力から避難している、避難する方々が給付金を受け取れるよう、この仕組みをぜひ広めて頂ければと思います。

もちろん、まだ改善が必要な仕組みであることも承知しております。その点は改善に向けて早急に取り組みます。

私自身は、今回のことで、家庭内暴力を受けている方が健康保険、年金、児童手当などの手続きに利用出来る「配偶者からの暴力の被害者に係る証明書」というものの存在を初めて知りました。
こうしたものの存在も、シェルターなどにつながっている方以外は知らずにいるのではないかとも感じます。

新型コロナウイルスの感染拡大で、本当に多くの方が大変な思いをされています。一日も早く、必要な支援が届くよう、引き続き一つひとつの課題に全力で取り組んで参ります。

実際に手続きを取られる方は、以下のリンクから、元厚生労働省にお勤めだった方が書かれている手引きを是非ご参照ください。確実な受け取りのために、1日も早い手続きの着手をと記されています。

https://note.com/yasusensho/n/n70681d162b7f

写真は、手続きに関するお知らせ。また、2月に女性の支援をされているNPOをお訪ねしたときのもの。本来は赤ちゃんが死産だった女性達の支援をしているものの、女性が沢山集まり話をする中、それはDVでは?と思う話も持ち込まれ、地域の包括的な支援のような実態になっているとのこと。このNPOの活動についてはまた後日。

4月23日
てらたしずか


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