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一年を振り返り

2020.12.31 12:34

まもなく2020年が幕を閉じます。

年初、私にとっては初めての通常国会ということで、緊張しながらあれもこれもとやりたいことを両手に抱えて臨んだスタートでしたが、振り返ればコロナ一色でした。

議員になった時から「黙っていると弱い立場に追い込まれる人たちのこと、経済原則に任せていたら守られないもの」の為に働くのだと、心に決めておりましたが、今年はまさしく、そうした方々が一層厳しい状況に追い込まれ、私自身も少しでも改善をはかろうと走り回る一年となりました。

子どもたちについて。
突如として全国一律の一斉休校・休園が実施され、子どもたちは大切な育ち・学びの場を奪われました。
コロナ禍は親たちの仕事に影を落とし、様々なストレスが子どもに向かってしまったのか、残念なことに虐待の認知件数も増えてしまいました。
子どもの自殺も例年より急激に増加し、見えにくい苦しい子どもたちの現状が浮き彫りとなりました。
県内の学校についてオンラインでヒアリングした際、先生がおっしゃった「社会のしわ寄せが子どもたちに及んでいる」という言葉が心に重くのしかかりました。

一方で、休校によるオンライン授業が一部の学校で実施され、それまで学校に通えなかった不登校の子どもたちに恩恵があったという報告もありました。
不登校経験者としては、これまで十分に保障されてこなかった不登校の子どもたちに新たな機会がもたらされたことはよかったことと思いつつ、「オンラインなら参加出来るでしょ」と半ば強制されることはそれもまた苦しいことだとの思いもあります。
また、我が子が就学年齢となったことで、同世代の子を育てる友人たちから就学前検診や通学する学校が決まる過程における要望などが多く寄せられ、文科省の担当者から現状を聞きつつ、子どもの最善の利益を求めて自治体とも協議をしてきました。

親に頼れない若者について。
施設出身の未成年の若者が困窮しても緊急小口資金等の貸付に制限があるという問題については議連等を通して訴え、より当事者が利用しやすくなるよう学費の貸し付けも含め計3つの制度の運用を改めてもらうことができました。
「今のような具体的な議員の指摘に対してあなたたちはそんな一遍の返答をするのか。ちゃんと検討して議員のところに返事をするように」と議連の場で助け舟を出してくださった与党重鎮の言葉・気迫に、コロナ対応は超党派で頑張るのだと胸が熱くなることもありました。

女性について。
子どもと同様に、自殺者が急増したのが女性でした。その要因は複雑ながら、シングルマザーの窮状は深刻さを増し、弱い立場にある女性が一層追い詰められていきました。
ステイホーム・リモートワークの影響からかDVや望まない妊娠の相談件数も増えました。政府の紆余曲折を経ながら決まった全国民一律の10万円の給付が、DV被害から逃げている方にも必ず届くよう、総務省のトップに直談判し手続きを簡素化してもらうように働きかけました。

弱いものが、より弱い立場に追い詰められる一年。
まさしく政治や行政がどれだけ具体的な実情を捉え、迅速に対応できるかが問われました。

コロナに関わらず、議員として取り組み成果がみえてきたこともあります。

まずは何より、イージスアショアの配備撤回。
これはもちろん、そのために動いた県民全員の成果ですが、昨年の選挙で訴えさせてもらったこと、議員となってから、関係閣僚や関係者、そして衆参全議員を訪問して訴えさせてもらったこともあり、何かしらこの結果への一助を果たせたと感慨深いものがありました。
コロナのことがあり、遠い昔のことのように感じますが、今年一番の大きな成果として、本当に嬉しいことでした。

環境委員として引き続き、動物愛護、アニマルウェルフェア、プラスチックの削減、生物多様性の保全等について取り組みました。
獣医学部で必ずしも必要性の乏しい生体を使った実習が行われている実態があるのではないか、それを望まず心を痛めている学生も多いとの指摘から、現状の把握をと委員会で求めた結果、全国の獣医学部を対象にアンケート調査が実施されました。
また、ペットボトル削減に必要なマイボトル普及のための給水所の設置も提案し、実現しました。
一つ一つは小さなことかもしれませんが、現場の方々の声をもとに国会で問い、それが大臣を動かし行政が変わっていくプロセスを実行できたことは、私にとって大きな励みにもなりました。

それ以外にも、国会、議員連盟、地元活動を連動させ、社会的養護・里親制度の普及啓発について取り組みました。
コロナ禍で、満足に訪問活動ができないところは忸怩たる思いがありましたが、その分参加が容易になった各所の勉強会や当事者の会にオンラインで参加し、現場の声、経験者の声を広く拾うことを心がけました。
地元においては、感染防止策を講じながら小規模ではありましたが、里親セミナーを開催し、子どもたちへの支援に関心をもつ方々に里親制度の周知に努めるとともに、関係者とお話しする機会を得て、さらなる課題解決に向けての基礎を作ることができました。
また、私的勉強会の場で社会的養護を取り上げたり、興味を持つ議員を関係勉強会につなぐことで、国会内に一人でも理解のある議員を増やすということにも努めました。

世界に目を向ければ、ワクチンの完成・接種の開始に少し明るい兆しが見えたものの、ウイルスは変異をしてさらに感染力を強めているといい、希望の見えない年の瀬となっています。
コロナよる貧困から児童婚に追いやられる少女は予測より50万人多くなったともいわれ、日々の生活が当たり前のものではないということを改めて思い知らされます。

秋田のことはもちろん、国内外にも目を向け、痛ましい現実を見つめ、初心を忘れぬように活動を続けていきたいと思います。

コロナ禍という特殊な一年ながら、本当に多くの方々に支えられ、導かれた一年でした。
多くの皆さんに感謝すると共に、来年が少しでも明るい年になるよう、託された役割をしっかり果たして参ります。

振り返ると、辛く苦しい出来事ばかりが思い出されます。
そこで、本年最後の写真は、明るいものに。
11月に横手で開催された種苗交換会にて。

12月31日
てらたしずか


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