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多胎育児にもっと支援を

2021.05.21 19:03

何気ない時に、「3つ子の1人を床にたたきつけ死亡 母親に実刑判決」というニュースを思い出すことがあります。
先週末も、息子と行った公園で双子の赤ちゃんを連れたご家族に遭遇しました。
まだよちよち歩きの双子ちゃんたちは色違いのお揃いの服を着ていて、手を繋いだり、押し合って尻もちをついたり。
側から見れば、ただただ可愛いだけの双子ちゃんたちですが、多胎児の育児というのは想像を絶するほど大変なんだろうと、、、

上記の判決があったのは2年近く前ですが、国会事務所のスタッフの一人は「この判決はこの母親だけじゃなくて彼女を救えなかった社会への実刑だと思ってほしい」と言っていたのを今でも覚えています。彼女も小学生の男の子3人の育児真っ最中です。
我が家は子どもが一人だけですが、一人でも十分に大変。イヤイヤ期、どこにいっても追いかけてくる2歳台の頃には本当に追い詰められる気分でした。

現在の我が家は夫婦どちらも家事育児をする「ハッピーな子育生活」が実現できていますが、それには理由があります。
息子は夫の落選中に授かり、産まれてきました。私は産後2ヶ月ほどで仕事を始めたため、授乳を除き夫が育児の主担当となりました。1歳1ヶ月の時にまた選挙があり、夫は仕事に復帰したものの、夫は、生後丸一年子どもと一緒だったので、その間に育児の大変さと喜びを身をもって知ったのだと思います。

ただ、そのあとが少し大変でした。それまでどちらかというと夫が担ってきた育児の主担当が、仕事を辞めた私になり、家で大人の話し相手もなく育児する日々。
しかも、それまでパパっ子だった息子を長く夫に会わせられないという環境の激変を防ぐべく、私は息子を連れて秋田と東京の行ったり来たり。
東京で、夫と子どもの他には家族も親戚もなく、友人の家は遠く、子連れで行くような近所の公園や児童館の存在などもわからない日々。すっかり「孤育て」にはまってしまいました。

トイレまで追いかけてくる息子を視界に入れないようにしながら後ろ手に扉を締めて、泣き叫ぶ息子の声に耳を塞ぎ、トイレに座って呆然としながら、もう参ってしまうと思うことも正直何度かありました。
夫がいくら育児家事に協力的でも、物理的に家にいる時間が少なければ、否応無しに息子と二人きり。
子どもをあやしながら家事をする合間に友達と遊ぶ約束を取り付けて、オムツやらお尻ふきやら離乳食やらを準備し、重い荷物を持ってどこかに連れ出す。10分の距離を一時間かかけて歩く子どもと一緒なのは骨が折れることで、どうしても家にいることが増えます。
しかし二人きりではやはり気分的には追い詰められる。
これが、2人3人と子どもがいたらどうなるんだろうと想像しただけで恐ろしいとしか思えませんでした。

秋田にも多胎児の育児に奮闘していらっしゃる家族がたくさんあります。多胎児家庭を支援していらっしゃる方も知っています。
多胎育児をする家庭へは、産後無料で来てもらえる助産師の訪問回数を増やしたり、理由を問わずに短時間でも預かってもらえる機会を増やすといった人的支援、経済的な支援をより充実させていくことが必要です。
厚労省ではそうした子育て支援のメニューを準備していますが、肝心の市町村がその事業を採用しなければ結局当事者に届くことはありません。事業の実施主体は市町村だからです。
秋田県内では出産の数そのものが減っているところから関心は高くなく、県内の自治体で積極的に活用しているところが少ないのは本当に残念です。

子どもは社会の宝。
社会の力が足りないばかりに、子どもの命が奪われることのないようしっかりと働きかけてまいりたい思います。


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