2021.08.06 17:28
「夏休みに体重が減る子どもたちがいる」
そんなことが言われて久しくなりました。
虐待、ネグレクトなどを受けている子どもたちにとって、給食がなく、先生の目も届かない長い休みは魔の時間です。
「夏休みはどうだった?」
という問いに、「・・・お腹空いてた」と答える子どもたちの存在を忘れてはいけません。
そこで、こんな言葉を紹介いたします。
「“Get involved” 関わろう」
子どもは親だけではなくて、社会全体で育てるもので、私たち大人一人ひとりに周りの子どもたちの安全を守る責務があると考えています。だからこそ、「“Get involved” 関わろう」。
私にはこんな思い出があります。
以前留学していたアメリカに、まだ幼かった息子を連れて行った時のこと。
現地の友人と、浮き輪を持った息子をボードの上に座らせて、パドルサーフィンに出かけました。
しばらくすると、かなり向こうから、カヌーに乗った人がこちらに近づいてきました。
あんな向こうからわざわざなんだろう?明らかにこちらを目指してきてるな、なんだか怖い、、そう思っていると、目の前まできたそのご高齢の男性は私たちに尋ねてきました。
「その子は泳げるのか?」
あとから思えば、浮き輪があるとはいえ、ライフジャケットも着せないでこんな小さな子を沖に連れてくるのは非常識だ、ということが言いたかったのだと思います。一緒にいた現地の友人が話をしてくれて、その男性は去って行きましたが、単なる旅行者だったら通報されていたかもしれません。
子育て初心者とはいえ、当時、まだまだ子どもの安全に関する意識が低かったと私も反省しています。
そして、子どもの安全に対して、他人であってもこのように皆が気を配っているのだということを知り、私にとって大きな学びとなりました。
いま、多くの大人たちが周りの子どもの安全に関わりを持っています。
東京のスタッフは、自身の子どもが通っている学校のPTAを通じて自治体に夏休みにも希望する生徒に対して学校給食を出せないか提案していると言います。給食の一食があれば救われる子どもたちがいるからです。
それと同時に、給食を作る仕事も夏休み中は無くなるため、そこで働く多くの方々(非常勤の女性が多いとのこと)の収入が減ってしまうことを防ぐことも出来ます。
「公園にちょっと心配な子がいたんだよね。着てるものとか髪の毛とか、明らかにネグレクトという感じで・・・」
そんな心配を持ちかけてきた友人には、189(いちはやく=虐待等の相談ダイヤル)の存在を伝えたところ、その日のうちに連絡してくれました。
「“Get involved” 関わろう」
誰かが見ているだろう。
誰かが連絡するだろう。
自分の考えすぎかもしれない。
そのような迷いが、その子の命を救えるタイミングを失うことにつながるかもしれません。
子どもは社会で育てるもの。
その時の違和感や直感を大切に。
大人として、大きく子どもたちを包んでいきたいと考えています。