2021.10.26 14:35
諸外国では当然改正されている内容が、日本では未だに放置されているものがあります。
それの象徴的なものが、性犯罪に関する刑法改正だと思います。
改正が進まない根本原因は、性犯罪被害を自分ごとと捉えて取り組む議員の少なさにあります。
改正の議論は来年にも予定されていることから、今回の総選挙で改正を求める候補者がどれほど当選するかが、改正が進むかどうかの分岐点になると心配しています。
その意味で、夫の寺田学を再度国会に送り出していただきたいのです。
「10歳の娘がお泊まりに行った先で、その家のパパから性的被害に遭った」
夫がそんな相談を受けたのは、旧来の友人からでした。
「寝ている間の被害で、幸い娘は眠っていて何も気付いていない様子。でも、警察は娘からの聴取無しでは被害届を受理できないと言うんだ。でも、娘は勘がいいから、警察に話なんて聞かれたら、恐らく自分に何が起きたのかを察するだろう。そうしたら、その傷は一生残る。でも、被害届を出さずに泣き寝入りをしたら、もしかしたらその男はまた別の子供に手を出すかもしれない。そんなことがあったら子を持つ親としていたたまれないし、まるで共犯者になったような気分になる。自分はどうしたらいいのか・・。寺田、こんなことってあるか・・・。」
こんなことがあっていいはずがない。
被害にあった親にこんな選択を迫るのは間違っている。
相談を受けた夫は、相談者の了解のもとにすぐに動き、委員会質問を含めて法務省や大臣とやりとりを重ね、数ヶ月かけ、この件は解決しました。
おそらくこのようなケースは全国にあるのだろう。
そしてその多くが被害届を受理されず、立件されることもなく被害者とその家族らは深く傷ついたまま泣き寝入りをしているのだろう。私はそんな闇を感じました。
このことから、夫は党内で性犯罪に係る刑法改正の検討をするチームを立ち上げ、これまで十数回に渡り専門家や被害者団体の方などからヒアリングを重ねてきました。
性犯罪の98%は暗数と言われています。被害者の多くは、被害を誰にも相談することなく、まして警察などに届けることもなく、泣き寝入りをしています。やっとの思いで警察に届けても、上記のように被害届を受理されなかったり、受理されたとしても不起訴となったりします。
性犯罪は被害者が声をあげることが少ないことから、社会からは「ほとんどない」こととして扱われがちです。
それだけに、理解者も少なく、前回110年ぶりとなった改正においても、まだまだ積み残された課題があり、すべての同意のない性被害が犯罪として捉えられ処罰されるのには不十分なままの状態となっています。
恐怖で固まってしまっても、抵抗しなければ合意があったとみなされる暴行・脅迫要件、13歳という低すぎる性交同意年齢などあまりに理不尽な現行法が、被害者が声をあげることを阻んでいます。
加害者は弁護士に頼れるのに、被害者は被害者団体の方々など、同じような被害に遭ったことがある人にしか本当にはその被害や心情を理解されづらいといった難点もあります。党内でも、日本社会の闇ともとれるこうした課題に主体性を持って積極的に取り組もうという議員は残念ながら少なく、夫は孤軍奮闘を強いられました。
守られるべき子どもの権利と自由をはき違えた議論、冤罪を危惧するあまり被害を軽視する議論など、この性犯罪の刑法改正には、子どもの親の立場からすると俄かに信じられない議論が、国会だけではなく法務省の検討会でもまかり通っている現状があります。
友人の相談をきっかけに、この問題の深さに改めて気づき、子育て世代として親目線に立った議論をリードし、女性や子どもの被害の実態に即した刑法改正を目指す夫を、どうか皆さんのお力で再び国会に送り出してくださいますようお願い申し上げます。
https://www.manabu.jp/blog-entry/2021/06/09/1411/