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秋田県立医療療育センター視察

2022.10.18 13:44

先月末、秋田県立医療療育センターの視察をさせていただきました。

呼吸器を使うなど医療的ケアの必要な子どもたちから、発達障がいがありサポートを必要とする子どもたち、そして年齢で厳密に区切ることなく成人後も自立への道のりに伴走する、多くの方々を各専門職の方々が支援している包括的な施設です。

以前から一度お訪ねしたいと思っておりましたが、コロナもあり、また、感染症による影響を受けやすい子どもたちが集まる施設でもあるため、遠慮しており、この度ようやく訪ねさせていただきました。

生まれつき障がいを持つ子ども、出産時のトラブルによって障がいを持つことになった子ども、生まれた時は健康だったものの、怪我や病気によって障がいを負うことになった子どもなど、多くの子どもたちが入所や通所でサポートを受けています。

特徴的なのは、保護者も一緒になって通い、通常の発達とは異なる成長を支援するための子どもとの接し方などを専門職の方から学ぶこともできる場であるとのこと。

もちろん、障がいを持つお子さんの育児は特別な難しさがあることも事実であり、事情によっての一時入所も受け付けており、多くの保護者を支援されています。

臨床心理士、理学療法士、作業療法士など多くの専門職の皆さんは、県内各地の医療機関や学校などにも出向き、ニーズのある子どもたちのより良い発達のための支援の方法を一緒に模索していると言います。

一人ひとりの子どもの最善の利益を求めて、それでも、自分の意見を表明できない子どもたちにとって、自分が考える最善の利益はもしかしたらその子の望む最善ではないかもしれないという謙虚さをもって多くの方が日々努力をされていると感じられ、一人ひとりの方の手を握りお礼を申し上げたい気持ちで一杯になりました。

さまざまな事情を抱えた子どもたちがいますが、中には、虐待によって障がいを負うことになったケースもあるとのこと。その重い事実、もしかしたら、懸命に手当をしても、帰ることができる温かい家庭に恵まれているとは限らないという厳しい現実を直視しながら、社会の歪み、皺寄せがいく子どもたちと向き合うことの難しさに、様々な思いが去来しました。

こうした子どもたちと日々向き合うことは、制度を作る側にいる私の辛さの何百倍か知れません。このことを常に胸に留めながら、現場にいらっしゃる皆さんへの感謝の気持ちを忘れずに、私自身にできることを努力していきたいと思います。


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