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若者の政治への関心を高めるために〜18歳被選挙権の実現を

2023.02.14 14:58

私は、18歳から選挙に立候補できる被選挙権が与えられていいと考えています。18歳被選挙権への想いを強めるきっかけとなった一冊がこの本、秋田市出身の鎧あさきさんが書かれた「北欧の幸せな社会のつくり方〜10代からの政治と選挙」。月に一度魁新報に掲載される鎧さんの論評を目にされた方もあるかもしれません。「ハイヒールを履かない女たち」という新刊も出版され、そこに詳述された男女平等を徹底しようとする北欧社会の姿に改めて感銘を受けたところです。

多くの方が若者の政治参加を促すにはどうすればよいのかと頭を悩ませています。20代から政治の世界に入った夫も、親友たちと共に、どうしたら同世代に政治に関心を持ってもらえるのかということに心を砕いてきました。

私は、その解決策として最も大きなものが「18歳被選挙権の導入」だと考えます。鎧さんがお住まいのノルウェーでは1978年から既に導入されており、高校生で選挙に立候補したり議員となったりする若者もあるとのこと。そうして、友人が選挙に出たり議員となったりすることで、その周りも感化されていくのだといいます。

18歳なんて若すぎだ、まだ社会のことなどわかっていない、そう思われる方もあるかもしれません。でも、本当にそうでしょうか。

家にお金がないから進学ではなく就職すると決まっている。

自分の親と暮らすことができず施設から通っている。

友達が不登校になって学校にこなくなった。

理不尽だと感じる校則を変えたいと思うけれどどうしたらいいかわからない。

親友からゲイだとカミングアウトを受けた。

部活の道具が買う余裕が親になさそうだから部活は諦めた。

父親が会社を辞めたのでバイトで家計を支えている。

病気の母親に代わりきょうだいの世話をしている。

アルコール中毒の祖父の暴言や暴力に耐えている。

こうした経験を自分自身や身近な友人が体験することで、中学生や高校生でも、どうしたら友達や自分が助かるのかと悩み、社会のあり方に想いを馳せることもあります。

Twitterなどの発信を見ていても、彼らは彼らで、彼らが置かれた場所からしっかりと社会の理不尽を見つめているのだと感じています。

そして、こうした体験から物理的にも時間的にも近ければ近いほど、彼らは純粋にこうしたことの解決のために働きたいという想いを強くもっています。年齢によって政治課題に関する関心事項が異なることは、データとしても表れています。若者が政治の場に入ってくることによって、いわゆる若者政策、子どもの貧困、奨学金といった分野に比重が置かれることが増えてくるとのこと。そうであれば彼らの力を政治の場で発揮してもらわない理由はありません。

政党には青年部があります。日本では、20代、30代の国会議員が少ないために、40代、50代が青年部の中心を務めていることも多いと思います。でも、社会常識的に見れば、私を含め40代50代は立派な中年であり、決して青年ではありません。鎧さんによれば、政党の青年部として10代20代の若者が活躍し、選挙の候補者になることが紹介されています。フィンランドの首相も、青年部に所属し、10代から政党の役職などを務めてきたとのこと。

どうして北欧では10代、20代の若者が政治や選挙、政党に関心を持つのか。それは、彼らが、自分たちの発言や行動によって社会を変えていくことができると信じているからであるとのこと。残念ながら日本の若者でそのように考えている人はごく少数でしょう。

自分たちの未来は自分たちで決める、決められる。

そのように思わせる仕組みが「18歳被選挙権の実現」であると考えます。若い頃から、自分の身近に自治体議員や国会議員が誕生する。彼ら彼女らに話をすることで、自分の思っていたことや考えていたことが政治の場に届き、議会の場で紹介され、時に実現したりする。こうしたことを多くの若者が経験することで、確実に社会を変えていくことができると考えています。

先日お邪魔してきたスウェーデン大使館で聞かされたのは、スウェーデンは国会議員も閣僚も各国に派遣されている大使も半数が女性であるということ。意志決定の場に女性や若者を増やし、多様性を確保することが社会を豊かにする原動力であるとして取り組みを続け、世界の中でも幸福度が軒並み高い北欧各国から日本が学べることはまだまだ数多くあると感じています。


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