2022.03.09 13:58
先日とある記事に改めて衝撃を受けました。
「女性の賃金、何故低い?」と題したその記事には以下のような日本の状況が紹介されていました。
・男女の月額賃金の差は8.7万円(年収で104万円の差)
・大卒女性と、高卒男性の賃金水準がほぼ同じ
・格差は解消に向かっているが、現状のペースでは完全平等まで76年(!)かかる
・働く女性の半数以上が非正規雇用
・非正規雇用と正規雇用の賃金格差は月額11万円
・女性が外で働く時間は男性の二分の一、女性が家事育児にかける時間は男性の5倍以上
(日本は無償労働が女性に偏る傾向が極端に強い)
・コロナによる経済や雇用への影響で、格差解消は足踏み状態
これが今の日本の現状です。
そして、この現状を作り出した(維持している)原因は何でしょうか。
「大学に行かずとも短大や専門学校で良い」
「県外の大学に行くことはない」
「大学の学費は一人分しか出せないから兄を大学にやって(女の子の)お前は就職」
私の時代に言われていたことは、地方によっては今も言われていることです。
社会の意識も、まだまだ、固定的性役割が強く、男性が稼ぎ、妻子を養い、女性は家で家事と育児をするという無意識の役割意識が男女ともに染み付いています。
共同通信によれば、女子の大学進学率が最も高い東京と最も低い鹿児島では、2倍以上の開きがあります。どこに生まれてくるかは選べないのに、生まれてくる性別は選べないのに、生まれた場所によって、性別によって、大学に行けるかどうかに大きく差があるという不都合な現実を私たちは直視しなければならないと考えます。
機会と努力の結果、働くことができたとしても、アンフェアな競争環境が待ち受けています。
例えば研究職や医師などの仕事に就く多くの男性が専業主婦の妻をもち、研究などに専念できている一方で、同じような仕事をする女性の多くが、同じようにフルタイムで働く夫をもち、常にフェアではない競争を強いられ、論文などの執筆に時間を割くこともできず、結局同じ仕事をしている同僚の男性や夫との間にキャリアの差が生まれてしまう。
残業ができない女性は使えないと仕事を任せてもらえず、子育てとの両立をしようとすれば欲張りと言われる。
男性と肩を並べて仕事をしていると「お母様が働いているなんてお子さんかわいそうね」なんて言われてしまう。
上記の言葉はとある国公立小学校で、面接の際に私の知人(働くママ)が面接官からかけられた言葉です。
結局、どの道を選んでも、女性の人生に正解がないように思える。
それが今の日本の社会です。
この現状を打ち破る解決策は、実に明確に以前から示されています。
・男女とも働き方をこれまでと変えること
・雇用形態に関わらず、同一価値労働に同一賃金とすること
・男性の家庭進出を進めること(男性がもっと家庭の中の無償労働を行うこと)
・男女間賃金格差を公表させること
どれも単純明快で、至極当然のことです。
それでも課題が残り続けているのは、結局のところ本気で向き合い、課題解決に向け強力に進めていくリーダーがいなかったからではないでしょうか。
昨日は国際女性デー。
岸田文雄総理は、歴代の首相で初めてこの日にメッセージを寄せました。
日本の男女格差が120位と世界に立ち遅れているとして、「女性の経済的自立を位置付けるのが柱。打てる手を全て打ち環境を整える。女性が自ら選んだ道を歩いて行けるように力を尽くす」としています。
貧困、虐待、DV、若年者妊娠、社会的養護、ひとり親の困窮、高齢者女性の貧困ー。
様々な課題の背景を考えるとき、必ず付き纏うのは、女性に経済力がないということ。
「ジェンダー課題に覚醒したら、地獄のぬかるみに足をとられて日本の社会の中で幸せを感じながら生きていくことなど不可能になる」と、半ばその課題の大きさに気づきながらも、意識的に目を背けてきた2、30代。独身、子なしで全力で走り続けていたら、見ざる聞かざるでやり過ごすことができていた。
でも、子供が産まれて走れなくなり、子連れでは、目を閉じて耳を塞いでは生活もできない。そうしたら、もうジェンダーという課題から目を背けてはいられなくなった、まして議員となって色々な問題を見つめてみると、このジェンダー問題の解決なくして日本の諸課題の解決は困難だと思えるほどに根深くジェンダーのギャップは日本の社会を歪めている。これを自分の子供や次の世代の他の子供たちに引き継ぐことはなんとしても避けたいー。
ここが46歳の私の現在地。
同じように感じている多くの人たちと共に、課題解決のために働いていきます。
写真は、各紙の国際女性デーの特集