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寄り添うということ

2019.07.20 16:53

選挙戦も最終日となりました。
皆さんに最もお伝えしたいことをここに書かせてもらいたいと思います。

寄り添うこと。
私が政治に一番必要なことと考えて、訴えの中心に据えてきた言葉です。
ですが、「寄り添うだけでは何も変わらない」との批判も同時に受けています。
「寄り添うだけでは変わらない。政策と予算がなければ変わらない」と。
確かにそうですね。寄り添うだけでは何も変わりません。

でも、一つ落ち着いて考えたいのです。
そもそも、いまの政治が、私たちの生活の実態に本当に寄り添えているのかを。
口だけではなくて、その苦しみ、不安を具体的に受け止めて、寄り添っているのでしょうか。

立候補を決めた当初、このようなコメントをフェイスブックに頂きました。

我が家は子ども3人のシングル家庭。
一番上の子はADHDです。現在は24歳、22歳、19歳と立派に成長しましたが常にいろいろなことに悩まされての子育てでした。
食べさせるためには働かなきゃなりませんが家庭との両立には必ず何かが犠牲になり母子福祉とはいうものの少しは働きが良くなると一部支給停止に、母子手当を受けながら両親が揃っている家庭並みな生活を目指すと収入が多すぎると、、、なんか、違うんじゃないかなと思いながらも支給を打ち切られると困るなと働き方を考えてしまったり障害を持つ子供への対応も学童時代までは多方面からサポートしていただきましたが中学へ進んだあたりからどこに相談したらいいのかすらわからなくなり不登校になってしまいました。
18歳の頃まで家事をすることを条件に不登校・引きこもり状態を許し(笑)その後就労支援施設に巡り合い現在では毎日通所しています。自分から探さないと情報がなかったり申請しないと受けられないサービスがあったりとなかなか行政って不親切だなというのが実感です。

もう一つ。
今日、事務所にこんなお手紙が届きました。
夫が病気になり、なんとか一命をとりとめたものの、今までの仕事は辞めざるを得なく、その後も再就職も難しく、パートでしか働けなくなった。収入が減ったのに、障害も軽いと十分な補助を受けられない。
自分も、土日もなく一生懸命働いて家計を支えているが、生活が大変だ。と。

この他にも、直接お会いしたり、メール、フェイスブック、ファックスやお手紙などでも本当に多くの声を頂きました。

生活の悩みと不安とは、一言で語られない程とても具体的なもので、だからこそ想像を働かせ、その方々の立場に立たなければ、本当に寄り添うことはできないと思います。

今の政治は、具体的な生活の悩みが見えているのでしょうか。
今の政治は、こうした私たちの悩みに寄り添っているのでしょうか。
毎日を懸命に生きる、私たち秋田県民の姿が見えているのでしょうか。

確かに、寄り添うだけでは変わりません。
ただ、今の政治は寄り添うことすらせず、そもそも生活者に悩みや不安がないかのように物事がすすんでいくことに、私は問題があると思っています。

今回の選挙は、秋田県民の不安や悩みに、本当に寄り添えているかが問われていると思います。
消費税の増税、
年金への不信、
農業の行く末、
介護の負担、
イージス・アショア設置への地域の不安、
それらの県民一人ひとりの不安に、真摯に向き合い、寄り添って考えられるかが問われていると思うのです。

先ほど紹介したお手紙の末尾はこのような一文で結ばれています。

「一生懸命頑張っている人が、報われるような社会を作って頂きたいです」
普段、政治家が演説でよく口にする聞き慣れた言葉です。

「安心できる年金制度を」
「弱者に優しい社会を」
「障がい者も安心できる社会を」
「介護離職ゼロを目指して」
政党の公約には、希望あふれる言葉が溢れます。

ですが、これらは一向に進んでいきません。

介護も、子育ても、障がい者福祉も、そして女性を取り巻く環境のことも、変えなければならないということに与党も野党も異論はありません。ではどうして前に進まないのか。これは、なにより当事者が政治の現場にいないこと、これらの課題を自分のこととして解決していこうとする政治家があまりにも少ないことが原因だと私は考えています。

皆さん、お願いです。
私に当事者の一人として、働かせて頂けないでしょうか。

私自身、幼い頃の自身の経済的な苦労や、不登校、高校中退、仕事や子育て、30代半ばまでかかった奨学金の返済、そして、20歳で旅立った弟の介護と看取り。かつて困難のうちにあって、声を上げられなかった一人として、そして、様々な偶然が重なり、今恵まれた状態で声を上げることができる一人として、私が今与えられた環境を、自分のためではなくて、人のために役立てることができるように働きたいのです。

先ほどご紹介した方から、
「寺田さん、わたし選挙権をいただいて27年ほどになりますが初めて応援したい!と思いました」。
そんな言葉を頂き、胸がつまる思いでした。
苦しくて、大変で、頼るところがなかった声なき声が、ようやく声として聞こえてきたことに、立候補して本当によかったと思いました。
そして、そのことに毎日励まされ、支えられながら頑張ってくることができました。

一人の県民として、一人の母親として、そして生活の不安、悩みの切実さを知る一人の女性として、こうした課題の解決に向けて全力を注いで参ります。

皆様のお役に立てるとすれば、本望です。

7月20日
最後の演説会場に向かう前に

てらたしずか

写真は、お昼の演説会にて。
そして、自閉症の娘さんをもつお母さんから頂いた、娘さんが書いてくれた絵と共に。


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