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小さな一歩で終わらせない

2020.07.08 12:52

 

先週からプラスチック製の買い物袋有料化がスタートしました。スーパーのレジ袋を含め、3つの例外を除く全てのプラスチック製の買い物袋が有料になります。

このプラスチック包装の山をどうにかできないものか。
昨年12月、臨時国会の環境委員会でプラスチック削減について質問することを決めてから、かねてより気になっていたプラスチック包装の多さが目につくようになりました。
特に都内のスーパーでは、野菜までもがプラスチックで包装されていることが多く、夕飯の準備をするたびにプラスチック包装の山ができます。

このままでは2050年には世界の海は魚よりプラスチックゴミが多い状態になるとさえ言われています。海鳥や海に暮らす生き物たちは、海に漂うプラスチックを餌と間違えて摂取し、窒息したり、排泄されないために空腹感がないまま餓死してしまったりするなど悲惨な被害を受けています。

そんな地球を次の世代に残したくない。
その想いのもと、少しでも日本のプラスチック削減戦略が効果的なものになるように、環境委員会での質疑を重ねてまいりました。

プラスチックごみの問題を解決するにはリサイクルも大事ですが、現代の生活にあふれているプラスチックの使用そのものを減らすことが一番効果の大きな解決策です。

先週から始まったプラスチック製買い物袋の有料化は、そのための初めの一歩。
しかし、残念ながら以下の例外があります。
<1>厚さ50マイクロメートル以上のもの
<2>海洋生分解性プラスチック100%のもの
<3>バイオマス素材の配合率25%以上のもの
厚手の袋については「繰り返し使えるから」との理由でしたが、この例外は環境団体等からの批判も大きく、作る際に通常のレジ袋の5倍のエネルギーを消費すること、実際には再利用されずに捨てられ、かえってゴミの量を増やし、環境保護に逆行する結果となったため、アメリカのシカゴ市やハワイ州などでは、後にこの例外規定を廃止した経緯があります。質疑では、うまくいかなかった海外事例をまねる必要はないと訴えましたが、この例外はそのまま残りました。
また、生分解性のものについても、その技術はまだ途上であり、限定的な条件下でしか分解されないなどの問題から、マイクロプラスチックとなって海洋を汚染したり、化学物質や焼却による温暖化へ影響などもあるとして、国連環境計画によれば、最悪の選択肢となる可能性すらあると指摘されています。こうした問題は環境省も既に認めており、今後なるべく早い段階で見直されていくべきだと考えています。

一人あたりのプラスチック使用量が世界で二番目の日本。
諸外国に遅れながらもようやく買い物袋の有料化が始まりましたが、排出抑制のための政策はまだまだ不十分。小さな一歩でしかありません。

全てのプラスチックの使用をすぐにゼロにすることは不可能で、医療関係のもの、例えば手術で使う手袋など衛生上、現時点ではプラスチックでなければならないものがあります。コロナ対策でもプラスチック製品が活躍しました。
だからこそ、プラスチックでなくても代替できるものは少しでも生活の中からなくすことを考えなくてはなりません。
各企業の努力も必要ですが、私たちの暮らし方を変える必要があります。
家の中には既にたくさんのプラスチック製品があります。キッチン用品、文房具、おもちゃ等々。その一つひとつを「これはプラスチック以外の製品で代替出来ないか」という目で眺めてみることが必要です。我が家にもボールペンやたくさんのタッパー、おもちゃがありますが、これらをすぐ捨てるのではなく、最後まで使ったのちに、買い替えのときにはプラスチック製以外のものにしていくということが大事だと、この間に学びました。

県内各地で開かれる朝市では、農家から届いた新鮮な野菜がそのまま並び、私の祖母も元気な頃は籐のカゴをぶら下げて買い物に行っていました。ここにプラスチックを減らす暮らし方のヒントがあるかもしれません。
朝市の風景を思い浮かべながら、今後もプラスチック排出抑制のため、粘り強く取り組んでいきたいと思います。

写真 1. 友人にもらったお気に入りのエコバッグ。意識してはいても、ふらっとコンビニ寄るときに持っていないことがあり反省中。
写真 2. プラスチックのことはいま多くの本や雑誌にも。
写真 3. プラスチックを誤食して空腹感のないまま餓死した海鳥。委員会質疑の資料として配布した百の言葉より心に響くニューズウィークの写真。

てらたしずか


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