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困難を抱えた子どもたちのことを

2023.02.28 17:28

秋田市南が丘にあるきらり支援学校にお邪魔してきました。

身体に障がいがあったり、医療的ケアなどが必要な小学生から高校生までの子どもが在籍しており、通学が難しい子ども達への訪問教育も行われています。

子どもと先生の数はほぼ1:1。

その他に医療スタッフ7名のチームで、学校への登校時、健康観察や必要なケアが行われています。

副校長である近藤先生のご案内で、子どものできることに合わせ、可能性を伸ばすためにきめ細やかな指導が行われている様子や、工夫をしながら合同で行われている体育、学校の中に置かれている設備などを拝見しました。

千葉校長先生からは、学校における課題、例えば、保護者が同行しなくても遠足や修学旅行に行けるようにするために一つずつ問題を解決していっていることなどを伺いました。重い障がいがあったために遠足はおろか他の子どもたちとバスに乗ること自体が初めてであるという子どもたちがいたことや、訪問先や宿泊先がバリアフリー対応のところにどうしても限られてしまうこと、介護タクシーのサービスの対応状況なども教えていただきました。一人ずつ異なる困難を抱える子どもたちに、一つでも多くの当たり前を体験させたいと最善を尽くしていらっしゃる現場の先生方の働きに本当に頭が下がる思いでした。また、呼吸器を使っている子ども達がいるものの、非常電源設備がないこと、隣接する療育センターには設置されているため大きな障害はないものの、設備があるに越したことはなく、秋田市の福祉避難所の指定も受けていることなどを鑑みれば備えているべき設備であることなどを教えて頂きました。非常用電源設備については、県の施設であるから県が設置すべきなのか、秋田市の避難所だから秋田市が整備すべきなのか、そうした狭間にあって解決していない問題であることが伺え、自治体や自治体議員の皆さんとも連携しながら設置を働きかけていく必要性を痛感しました。

以前視察をさせていただいた県立医療療育センターに隣接しているこのきらり支援学校は、療育センターから通ってくる子どもたちもあります。

保護者の方が迎えにくる子どもたち(幼稚園以降も送迎が必要である保護者の方たちのご負担はいかばかりかと思います)、バスで通学する子どもたち、担任の先生に車椅子を押されて療育センターに戻る子どもたちのそれぞれの姿を目にしながら、子どもたちの最善の利益を図ることの難しさを改めて思い知らされると共に、この子たちが学校を卒業した後の地域生活の基盤をどのように築いていくのか、その理解をどう社会にどう拡げていくのかなど、多くの課題に思いを馳せながら帰路に着きました。

子どもの最善の利益とは何か。

障がいのある子どもたちの意志をどう汲み取るか。

大人の考える最善の利益は本当にはその子の利益とは限らない。

こうしたことを改めて胸に刻みながら、一人ひとりの子どもたちのことを引き続き考えていきたいと思います。

写真は視察時の様子。タブレットで遠隔操作できるオリヒメというロボットの操作も体験させて頂きました。


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