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どう見えるかよりこの身体で何ができるか

2022.07.28 16:57

北欧の女子スポーツ選手が

「自分の身体がどう見えるかより、この身体で何ができるかが大事だということをこれからの世代の女の子たちに伝えたい」

と語ったそうです。

少し前になりますが、「『秋田美人』はもうやめませんか?」との投稿が魁新報の紙面で話題となり、私もハッとさせられました。

既にご存知の方には釈迦に説法になりますが、見た目や容姿で人を判断することは「ルッキズム(外見至上主義)」と呼ばれ、避けるべきことの一つとして認知が進んできています。

なぜルッキズムがいけないのか、ここで問題提起させていただきたいと思ったのか。

純粋に「人を見た目で判断するすることは良くない」という倫理的な理由はもちろんですが、これが命に関わる摂食障害と直結しているからです。

私たちの周りには、見た目を評価する言動に溢れています。

デブ、ブスなどの侮蔑的なものはもちろん避けるべきですが、発言した本人は褒め言葉のつもりであっても、以下のような発言もルッキズムを助長するものです。

「痩せたね」

「綺麗だね」

「かわいいね」

「脚が細いね」

子どもの頃からこうした言動にさらされ、特に女性は、多かれ少なかれ「かわいいこと、綺麗なことが大事」という価値観を自分の中に刷り込むことになります。

摂食障害の9割は女性です。

単に一時的にご飯が食べられなくなるぐらいのものだろう。

そう思う方もあるかもしれません。

でも、摂食障害はその響きの軽さとは裏腹に、重症化すれば命を落とすこともある病気です。

痩せていなければいけない。

今の自分は太っている。

そんな思いがやがて認知の歪みを生み、体重が30キロ台になってなお自分の脚は太い、痩せなければなどと思い込み、最後には食べなければと思っても身体が食事を受け付けなくなり、命を落とすこともあります。

助産師でありYoutuberとして活動しているシオリーヌさんは、大学生の時に付き合っていた彼から「やせてほしい」と言われたことがきっかけで自らが摂食障害となったこと、妊娠・出産による体重や見た目の変化は摂食障害の経験者としては辛いところがあると赤裸々に語っています。

気軽に発した見た目に関するひと言がいずれ相手の命に関わるかもしれないー。

自戒を込めてですが、見た目に関することを口にしない、思っても言わない、ということを、他人はもちろん、親しい友人や家族、子ども相手であっても控えること、自分自身のことも、痩せた、太った、痩せたいなどと言わないように意識することが初めの一歩だと感じます。

「自分の身体がどう見えるかより、この身体で何ができるかが大事」

子育てが始まり8年。子育ては本当に体力勝負だなと感じてきました。

荷物は増えるし抱っこは重い。そのエネルギーはどこから来るのかと思うほどの子どもの体力には驚かされ、夜には子どもが眠くなるより先にこちらがクタクタになってしまいます。

5年ほど前、突然走り出した子どもを追いかけて転んだ時には、ここが道路だったら子どもが車に轢かれていたかもしれないと肝を冷やし、そこから2ヶ月筋力トレーニングをしました。命に関わるようなことはなくとも、体力がある方が子どもとの時間を楽しめますし、子どもがいなくとも、スポーツや旅行、レジャーでも山歩きでも、身体が丈夫で体力があれば、より多くのことをより長く楽しむことができます。

豊かな人生にとってはまさしく、見た目よりこの身体で何ができるかの方がずっと大事なのだと実感しています。

我が子は男の子ですが、次世代の特に女の子たちに、

「自分の身体がどう見えるかよりも、この身体で何ができるかのほうがずっと大事」

ということを機会を捉えて伝えていきたいと思っています。

写真はシオリーヌさんの著書


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