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新年の活動の最中に想う

2024.01.12 16:36

東京と秋田を往復する日々が続いています。

県内各地で新年を祝う催しにお招きをいただき、多くの方とお会いできる喜びの一方、元日におきた能登地方での震災の様子に心を痛めています。

能登半島地震でお亡くなりになられた方々とそのご家族にお悔やみを申し上げますとともに、被災された皆様に心よりお見舞いを申し上げます。

当初、被害状況が断片的にしかわからずもどかしさがありましたが、発災から10日以上が過ぎ被害の全容と現地の状況がようやく明らかになってきました。同じ日本にありながら、これだけ時間が経過した今も、水やトイレ・お風呂もままならない生活をされている方々が多数あることに、こんなことがあっていいのかと驚き胸を痛めています。

地震による道路の損壊や土砂災害で陸路は絶たれ、地震による海底の隆起で船が港につけられないなど、こうした状況に陥ったときの半島における物資輸送等の課題を突きつけられました。そして、引き潮によって消火栓からも取水できず、河川から水を取ろうとするもヘドロに阻まれ水が上がらず延焼が止められなかったという輪島の火災などが今回の災害を一層過酷なものとしました。

やけどが重症とされずに帰宅を促された5歳児が数日後に命を落とした件も大きく報道されましたが、この子どもの死に象徴されるような震災関連死が疑われる事例も、これ以上続くことがないよう一刻も早く支援状況の改善が図られなくてはならないと感じています。

避難所におけるご高齢の方はもちろんですが、女性や子どもの安全を確保することも大切です。東日本大震災以降、生理用品の備蓄も進められていると聞いていますが、多くの有識者が発信している通り、トイレットペーパーやおむつなどと同様に必需品であり、交換の頻度を減らせば尿路/骨盤内感染症を引き起こしたりします。性教育が男女別に行われてきたことによって、こうした事実が適切に理解がされていないこともあり、責任者が男性だけとなっている場合には特に、女性が我慢すれば済むという類のものではないことにより留意して対応することが求められます。

また、不登校関係の課題について意見交換をさせて頂いているNPOカタリバさんは、震災数日後から避難所等における子どもの居場所づくりのために被災地入りしています。大人でも過酷な避難所で、先行きの見えない生活に保護者も余裕がなく、支援する行政の方々も多くが被災している中、子どものことはどうしても後回しになりがちです。でも、大人よりさらに状況が掴めず不安と困難の中にある子どもたちに少しでもほっとできる場所を作り、ゆっくりと休んだり、遊んだり学んだりという基本的な子どもの権利が守られる場所は必要不可欠であり、ウクライナの女性や子どもたちが避難するポーランド等の避難所でもそうした場所がユニセフの支援で作られています。カタリバさんは昨年の秋田の大雨被害の際にも子どもの居場所作りに参画し、片付けに追われる保護者を支援してくださいました。行政の手が回らないこうしたところにNPOなどの民間団体が機動的に動いてくださっていることも広めて、理解と利用を促していきたいと思います。

加えて、少しずつ報道が出てきましたが、障がいのある方たちの避難にも大きな課題があります。映画「星に語りて」で描かれていた通り、障がいを持つ方々は、障がいの特性から、一般的な避難所に身を寄せることは難しく、「被災地から障がい者が消えた」と表現される通り、支援する方もどこに支援が必要な障がいのある方がいるのかわからないというような状況になっていることも想定されます。既存の障がい者施設も多くが被災するなか、助け合いには限界があり、また、耳が聞こえないがために食事の提供や炊き出しの情報を得られずに食べられない、というような状況が生じないように配慮する必要もあります。

割れた道路の上に雪が降り積り、走行にも危険が伴う被災地。東日本大震災とは違い、一月の災害で、厳しい寒さはまだまだ数ヶ月続く中、電気も灯油も毛布もないという孤立が続く被災地の窮状を目の当たりにし、雪国に住む私たちは特にその過酷さが理解できるものと感じています。まずは被災地の復旧・復興に知恵を絞って参ります。

そして、多くの方から聞かれる、秋田の備えは大丈夫なのかとの不安の声に応えるために、ひと段落した後には、自治体議員の皆さんとも連携し、こうしたことが起こった時に県内の自治体には十分な備えや準備があるのかということも改めて確認していきたいと思います。


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