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生命の安全教育PT韓国視察〜こどもたちを性犯罪の被害者にも加害者にもしないために

2026.09.24 16:11

思春期のこどもを持つ親にとって、大きな関心事項の一つは性教育をどうするのかということです。

国際人口問題議員懇談会の中に設置された「生命の安全教育プロジェクトチーム(PT)」の事務局長を仰せつかり、勉強会や視察を続けています。

「生命の安全教育」という言葉には、馴染みのない方も多いことと思います。

これは、こどもたちが健全な人間関係を築くために不可欠なもので、いわゆる性教育を含む広い概念です。かつて「性教育」は、性のことばかり教えるのかといった誤解に基づく批判を受け、そのために教育現場の先生方が疲弊し萎縮してしまうといった出来事がありました。ただ、こどもたちを性犯罪から守るため、大切なこどもたちをこうした犯罪の被害者にも加害者にもしないために必要不可欠である教育が、こうした誤解に基づく対立のために進まないということはあってはならず、「生命の安全教育」はこのような弊害を乗り越えるために考え抜かれた名前です。

国際基準である「包括的性教育(CSE: Comprehensive Sexuality Education)」は、人間の尊厳を基盤に、他者との健全な人間関係を築くために不可欠な教育であり、自分がどの程度の距離を保てば他者と心地よく過ごせるのか(相手との親しさによって異なり、個人差も大きい)、自分や相手にとって不快な接触とは何かといった基本的な内容を含んでいる包括的な概念です。

以前学んだ5歳児向けの教育内容は、「タッチにはよいもの、悪いもの、望まないものがあります。悪いものは簡単ですね、相手を叩いたりすることです。良いものは、例えばお友達が転んで泣いていたとします、その子を慰めるために背中を撫でてあげるのは良いタッチですね。でも、その手が段々おしりに下りていったらどんな感じがする?それは望まないタッチだよね」というもので、当時5歳のこどもがいた私にも非常に納得感のあるもので、感銘を受けました。

こうした広い概念を含む「生命の安全教育」の実装のために取り組んでいますが、残念ながらまだ公教育現場での実施率は低く留まっており、この教育が地域の交通安全教育のようにこどもたちを守るために広く実装されてほしいと願って活動を続けています。

こどもや若者が被害者となった苛烈な性犯罪が大きな社会問題となった韓国では、ソウル市が性教育のための機関「AHA!青少年センター」を設置しています。民間ではなく行政がこのような機関を設置し、こども若者を守るために真剣な取り組みが行われていることに驚きながら、こうした動きの背景には、女性たちが連帯して声をあげ、政府に働きかけ続けてきたことなどを日韓両国をよく知る有識者の方から教えて頂きました。「どうして韓国は女性たちの連帯が進むのか」という質問には、「それは日本に特有の問いかもしれない、日本以外の国からすれば、逆に、『どうして日本の女性たちはそんなにも黙っているのか(声をあげないのか)?』という問いをするはずだ」と言われ衝撃を受けました。韓国にはこうした活動をする女性の団体が大きな力を持っており、こうした団体からの支持を受けることは不可欠なものとして、たとえ政権が変わっても政策が進んでいく現状があるとのこと。このようなお話を聞き、控えめであることが女性の美徳といったあり方が、今も日本社会の根底に流れているように思われ、私を含めて、日本の女性たちはおとなしすぎたのか?と思わざるを得ませんでした。

3年前の性犯罪刑法改正時、被害者支援団体の皆様などから聞いたお話や議論から、こども時代に受けた被害に気づくのに何年も、時には何十年もかかったという現実を知らされました。こうした被害に遭い長く被害の影響に人生を狂わされるこどもを一人も出してはならないーこのことは親世代の責任、政治家の責務であることを痛感させられました。

また、子をもつ保護者の一人としても、家庭で自分のこどもに教えることには限界も感じており、こどもの安全を守るためには学校での取り組みが取り分け重要であると感じています。

今回の視察には、PTの親会である国際人口問題議員懇談会・会長である上川陽子議員をはじめ、超党派の議員とともに、プランインターナショナルジャパンなどの団体や、この分野に関心のある日本の報道等の皆さんも同行されました。道中、同行された皆さん、自身の半生で受けてきた差別を語ってくれたガイドの女性や、刑法改正を主導された上川議員からも様々ご教授頂くことが叶い、貴重な機会となりました。共にジェンダーギャップ指数の低迷に悩むお隣・韓国ですが、この度得られた学びは大きく、今後の生命の安全教育の実装と充実のための原動力としてしっかりと活かしていきたいと思います。


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